泥酔したキャバ嬢宅に上がり込み介抱の末に性行為した63歳男性、朝帰りの同棲相手と鉢合わせ【裁判傍聴記・前編】
東京地裁に出廷したF被告(犯行当時63歳)は、小柄で髪が薄く眼鏡をかけていた。「同意を得て行為をしたので、犯罪ではありません」と主張した。弁護士も「被害者には判断能力があった。被告人は無罪です」と。
2024年5月9日、被害女性Aさん(当時26歳)は勤務先のキャバクラで大量に飲酒して、記憶がなくなった。
午前2時頃、Aさんは自宅マンション前でうつぶせになったり、立ち上がっては倒れることを繰り返していた。F被告が声をかけて一緒にコンビニに行くが、Aさんは財布をなくしていて何も購入できなかった。
マンションに戻ってエントランスに。Aさんが落とした鍵をF被告が拾って、その後一緒に部屋に入った。着衣を脱がして、性的行為をしたという。朝になって、同棲中の婚約者が帰宅。「知らない男がいる」と110番通報した。
取り調べの時、F被告は「これが犯罪になるんだったら、美人局じゃないか。ダマされた」と訴えたという。不同意性交罪で起訴された。
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左に知らない男性、目の前に彼氏
被害者Aさんが別室からビデオリンク方式で証言した。ハキハキとした口調が印象的だった。
「勤務先で飲酒して、午前0時前頃から記憶がなくなりました。プライベートでは飲みません。お酒の味が苦手なので。これまで記憶をなくしたことは3、4回。今回泥酔したのは、お酒を飲まない時期が2カ月と長かったからかと。携帯はその日、紛失しました。
普通の状態なら知らない男を部屋に入れません。朝、頭に衝撃を受けて目覚めました。左に知らない男性、目の前に彼氏。その前の記憶は一切ありません。気がついたときは、体のあちこちが痛かったです。首の後ろには引っかき傷、ひざにあざと傷が」
「泥酔したため、判断能力がなくなっていました」と何度も強調した。
「被告人と会ったことや、2人でコンビニに行ったことも覚えていません。彼が警察を呼んで、綿棒で口内、両胸と膣内の異物採取を。
(犯人に対しては)泥酔している女性の自宅に上がり込むのはいかがなものかと。事件後、ショックで眠れない日が続きました」
F被告の弁護士が被害者Aさんに質問した。
――Fさんはあなたの源氏名を知っていました。あなたが教えたからではないですか?
「源氏名を知っていることを、今初めて知りました」
――あなたが「たこ焼きが食べたい」と言ったから、一緒にコンビニへ行ったのでは?
「覚えていません」
――意気投合した可能性は?
「泥酔していたので可能性はあるかもしれません。ゼロではないとしか言えません。判断能力がなくなっていました」
――Fさんが散乱した物を拾ってくれたりして、感謝の気持ちがあったのでは?
「ゼロではなかったかも。でも、なんで家に入ってきたんだろうと思います」
――「可能性はゼロではありません」と言うのと「記憶がないのでわかりません」というのでは、どこが違いますか?
「同じです」
同棲相手とは、7年前にキャバクラのキャストと従業員として知り合った。事件の1カ月前に婚約したばかりだった、という。
「交際を始めてから他の男性と関係を持ったことはありません。事件の後、彼との婚約は解消しました。今回の事件で一番傷つけてしまったのは彼だから」
ただ交際と同棲は続いている、という。
朝6時前に帰宅すると全裸の彼女と服を着た被告人
元婚約者が法廷で証言した。
「飲食店勤務で、当日も朝6時前に帰宅しました。ドアの内側からU字ロックされていた。帰ってくるのを知っているのにどうしてと思った。室内を携帯のライトで照らすと、知らない男物の靴が。帰宅時間が分かっているのに、男を連れ込んだりはしないだろうと。
携帯に何度も電話して、鍵を開けてもらった。部屋の中には全裸の彼女と服を着た被告人が。彼女は布団をかぶって、ベッドの上でうずくまっていた。頭が揺れて、ろれつが回ってなく、何を言っているのかわからなかった。状況が分からない様子でした。
『この男は誰だ、お前が連れ込んだのか』と追及すると、『覚えていない』と。泥酔した彼女に手を出したな、と思った。
被告人に対しても問いただしました。
『お前は誰だ』『そこらへんで知り合っただけ。酔っぱらっていたので介抱してた』と。
『やったのか?』『やってません』
『だったら彼女が裸になる必要はないじゃないか』『ハグまではしました』
従業員や関係者でないことが分かったので110番に通報。誰だかわからなかったので、会話を録音しました」
被告人を取り調べた警察官も、法廷で証言した。
「最初はキス、胸を触る、陰部を指で触った。パンティーを脱がしたと。自分のチンポコが立たなかったので、申し訳なくて左手中指を挿入した。彼女は反応がなく、寝ていたようだった」と。
文/青山泰 内外タイムス






