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平壌で「マイカーブーム」 2025年から個人所有認められ、渋滞や駐車場不足課題…貧富の差の象徴にも

北朝鮮の首都・平壌の交通事情がここ数年で大きく変化している。自家用を含む自動車の増加に伴い、公共交通機関の近代化も進み、街の風景は大きく様変わりしている。

最近平壌を訪れた人によると、2010年代後半以降、市中心部の主要交差点では信号機の増設が進み、交通整理の自動化が進展した。手信号でキビキビと交通整理を行っていた交通安全員は大幅に減り、駐車場で見かける程度になった。

公共交通機関の近代化も進んでいる。市内では長年運行されてきた、レトロムード満点のトロリーバスに代わり、EV(電気自動車)バスの導入が進められている。地下鉄では2015年以降、新型車両が投入され、車内には速度や温度、湿度などを表示する電光掲示板が設置された。レンタサイクルも、市民の移動手段として利用が広がっている。

あふれる「黄色」ナンバー

こうした変化の中で最も注目されるのが、自家用車の増加だ。平壌市内では黄色のナンバープレートを付けた車両が目立つようになった。北朝鮮ではナンバープレートの色によって車両の所属が区別されており、青は公用車、黒は軍用車、緑は外交関係車両、黄色は個人所有車を示すとされる。

韓国メディアなどによると、北朝鮮は2025年から個人名義による自動車登録を認めた。それ以前も富裕層を中心に実質的な自家用車は存在したが、多くは企業所や機関名義で登録されていた。制度変更により、運転免許を取得した住民が個人名義で車両を保有できるようになり、黄色ナンバー車の増加につながっている。

高級車は第3国経由で密輸か

市内を走る車両の多くは中国製で、メルセデス・ベンツやアウディ、BMWなど欧州メーカーの高級車も確認されている。金正恩総書記自身、ベンツ・マイバッハやレクサスSUVといった高級車を利用していることが、北朝鮮メディアで確認されている。高級車は、国連による対北朝鮮制裁の対象だが、第3国経由で密輸されているとみられる。

平壌東部の和盛地区には「アミ山自動車技術サービスセンター」が開設された。自動車販売、整備、洗車、カー用品販売などを一体化した総合カーセンターで、自動車関連産業の発展を象徴する施設として注目を集めている。

一方、自家用車の増加は新たな課題も生み出している。市内では交通量の増加に伴う渋滞が発生し、商業施設周辺では駐車場不足も目立つようになった。

もっとも、地方には車など考えられない貧困層も存在する。自家用車や高級車の増加は、北朝鮮社会における貧富の格差を映し出す存在にもなっている。

文/五味洋治 内外タイムス

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