川崎に放置された「遊覧船」の異質さ 20日の時点で半分以上が撤去済み
17日、神奈川県川崎市の白石運河に長年に渡り放置されてきた「遊覧船」の撤去がはじまったことが報じられた。
この遊覧船は同運河に約8年に渡り放置されてきた船で、ピンクの装飾が目立ち、まるでアニメに出てくるような派手な外見をしていることで有名であった。この遊覧船は「海賊船アニバーサリークルーズ号」ないしは「Anniversary Cruise」と呼ばれており、2018年ごろから白石運河に放置されていた。
本船はかつて、とある旅行会社が管理し三重県や兵庫県のほか東京湾内を運航していたが、その後は所有者が転々とし最終的には川崎市の白石運河へ放置されたものだという。市は現在の所有者に対し撤去を求めていたが応じず、2025年ごろからは老朽化により1階部分が浸水しはじめ、危険と判断されたため市が行政代執行を実施して撤去を決めた。
撤去費は川崎市が負担しているがその費用は3000万円以上であり、ネットでは「所有者に払わせて欲しい」「税金の無駄遣いでは」といった非難の声も多いという。
記者は撤去開始から3日間が経過した20日の19時ごろに現場に向かった。
遊覧船はJR鶴見線、武蔵白石駅から徒歩で10分ほどの「大川橋」から全体を観察することが可能であった。武蔵白石駅は京浜工業地帯の真ん中に位置しており、ピンク色の派手な遊覧船は明らかに「異質」というほかない。取材当日は土曜日で撤去作業は休みだったようだが、既にマストを含め半分以上は取り壊されており、数日の間に撤去は完了すると思われる。
だが、今回の遊覧船の撤去騒動はあくまで「氷山の一角」である。川崎市が発行した資料によると川崎港にはアニバーサリークルーズ号以外にも5つの放置船が存在し、所有者に対し撤去が呼びかけられているが、長いものでは13年に渡り放置が続いている。
海国である日本において「船舶の放置」は、もはや社会問題のひとつであり、撤去費用についてはさらに取締りを厳しくすべきではないだろうか。


