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地盤調査企業を「ファンド化」か 元芸人の投資家・井村俊哉氏が目指す和製バークシャーの道

国内における著名投資家の1人である井村俊哉氏の動きに、今年に入ってから変化が起きている。個人投資家としての活動を引退したと明言している井村氏だが、自身が関与する投資ファンドとは別の株式投資を行い、上場企業の社外取締役になろうとしている。

井村氏が「ニッポンの家計に貢献する」というスローガンを掲げ、fundnoteと共に運用を始めたのが、日本株Kaihouファンドだ。庶民的なスローガンとは裏腹に、投資の最低金額を100万円以上、基本報酬率を年1.87%に設定するなど、富裕層向けのファンドとも言えるような価格設定をしているのだが、サービス開始当初から応募が殺到。現在の純資産総額は400億円目前まで迫っており、主に株価の値上がり益で収益を狙う「アクティブ型」のファンドの中で指折りの人気を誇っている。

井村氏は株式会社Kaihouの代表取締役を務めた上で、fundnote内にある日本株Kaihouファンドへの投資の助言を行う。助言を受けたfundnoteは、近鉄グループの一員であるKNT-CTホールディングスをはじめ、大小様々な企業の大株主になっていく。大量保有報告書には「株式会社Kaihouの助言に基づいての保有」「場合によっては重要提案行為を行う」と明記し、いわゆる物言う株主として積極的に活動を続けてきた。

今月も電子部品機器「SMK」の株を買い増すなど、アクティブファンドらしい動きを見せているのだが、2月に入ってからKaihouがファンドとしての活動を通さず、独自に株式の大量購入を行った会社があった。対象となったのは、地盤ネットホールディングスという名前の企業だ。

同社は新宿区にある小規模なオフィスビルのワンフロアを本社にし、主に地盤調査事業を手掛けている。時をほぼ同じくして、Kaihouは公式サイト上で「和製バークシャー宣言」なるものも発表した。

値幅制限後も「寄らずのストップ高」

投資の助言行為には制約がある一方、著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いた運用会社「バークシャー・ハサウェイ」のような活動方法は理想的だと説明。自らも上場企業でありながら上場株への投資を行い、投資先の価値を上げることで自らの企業価値も上げていったバークシャーは、井村氏が目指すKaihouファンドの方針と合致する。

投資の神様と呼ばれるバフェット氏は、日本の投資業界で知らない人はいない人物であり、バークシャー自体も日本の五大商社株をバランス良く大量に保有している事でも有名だ。井村氏らの和製バークシャー宣言は、自らが日本のバフェット氏になるという覚悟の表れというようにも受け取れる。

東日本大震災後に地政学リスクなどを受けて急騰した地盤ネットの株価は、令和に入ってから400円台に到達することが一度もなかったが、2月10日と12日にストップ高を記録。東京証券取引所では、2営業日連続でストップ高になると、翌日はストップ高の設定価格が緩和され、より高い値段での取引が可能になる。ところが、地盤ネットは2月13日も前日比で97.56%上昇する「寄らずのストップ高」の状態を維持した。

2月9日の終値は198円、買い注文が若干落ち着いた2月17日の終値は1340円を記録しているため、終値ベースでも5営業日で6倍以上の価格にまで跳ね上がったことになる。かつて井村氏は、粉飾決算を発端とした不祥事真っただ中のオリンパスに投資し、3営業日連続ストップ高の恩恵を受けて資産を増やした。背景事情こそ全く違うが、今回の「連騰劇」でも井村氏と同じような形で資産を増やした人がいるかもしれない。

地盤ネットの株主総会は、今月の26日に行われる。地盤ネット創業者の山本強氏は、資産管理会社などを通じて保有株をKaihouに譲っており、各議案は可決される可能性が高い。日本株Kaihouファンドは今月も活発に投資活動を続けているが、来月以降もこの勢いが続くのか、それとも「和製バークシャー」と化す地盤ネットが市場を席巻するのか。答えは徐々に明らかになっていく。

文/池田聖人 内外タイムス編集部

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