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北朝鮮外交再始動への布石か トランプ大統領がSNSに投稿した金正恩総書記と並んで歩く写真に憶測

トランプ米大統領が自身のSNS(Truth Social)に、北朝鮮の金正恩総書記と並んで歩く写真を突然投稿し、外交関係者の間でさまざまな憶測を呼んでいる。

写真自体は過去の米朝首脳会談で撮影されたものだが、その直後にトランプ大統領はイラン情勢をめぐる重要な発表も行った。次の外交カードとして北朝鮮との対話再開を視野に入れているのではないか、との見方も出ている。

トランプ大統領は13日(現地時間)、2018年6月に第1回米朝首脳会談が開かれたシンガポールのホテルで、金総書記と並んで散策する写真を自身のSNSに掲載した。説明やコメントはなく、その真意は明らかにされていない。

投稿直後にイラン情勢をめぐる発表

翌14日(現地時間)には、やはり自身のSNSを通じて、イラン情勢をめぐる合意について発信した。

トランプ大統領はこれまでも、外交や安全保障に関する重要なメッセージを公式声明だけでなくSNSを通じて世界に発信してきた。

トランプ外交の特徴の一つは、SNSを単なる情報発信の場ではなく、外交ツールとして巧みに活用する点にある。世界のメディアや各国政府も、その投稿内容を重要な外交シグナルとして注視している。

実際、2019年6月に実現した板門店での米朝首脳会談は、トランプ大統領がSNSで「DMZ(非武装地帯)で金正恩氏と会えればよい」と投稿したことがきっかけとなり、その数日後には歴史的な対面が実現した。

もちろん、SNSへの投稿だけで外交が動くわけではない。しかしトランプ大統領の場合、「友好的なメッセージの発信」「水面下での接触」「突然の首脳会談や外交発表」という流れが過去にも繰り返されてきた。SNSは、劇場型外交を演出する「重要な小道具」である。

そのため今回の写真投稿についても、単なる気まぐれではなく、水面下で北朝鮮との何らかの接触が始まっているのではないかとの見方が浮上している。

非核化は困難でも対話の余地も

もっとも、北朝鮮が核兵器を放棄する可能性は極めて低い。金正恩政権は近年、自国を「核保有国」と位置付け、核戦力を国家存立の柱としてきた。先に行われた中国の習近平国家主席との首脳会談でも、公式発表では非核化への言及は見られなかった。

一方で、平壌の指導部は米国との関係が国家の将来を大きく左右することも十分認識しているとみられる。中国やロシアとの関係強化は重要だが、経済発展や経済制裁、安全保障環境を根本から変える力を持つのは、依然として米国である。そのため金正恩総書記も、米国との対話の余地を残している。

実際に米朝首脳外交が再開されるかどうかは不透明だ。しかし、今回の写真投稿についてはさまざまな分析が飛び交っている。トランプ大統領が自らの外交手腕を国内向けにアピールする狙いだとの見方もあれば、北朝鮮との関係を誇示するロシアや中国へのけん制との指摘もある。

さらには、日本や韓国と十分な調整を行わないまま、北朝鮮との交渉再開に踏み切るシグナルではないかとの懸念まで聞かれる。

真意は投稿した本人にしか分からない。しかし、たった1枚の写真で世界中の注目を集めたことは確かだ。今回もまたトランプ流の情報発信が、大きな効果を上げたといえそうだ。

文/五味洋治 内外タイムス

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