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中国語で「日本人殺せ」発信元はイスラエル 過激発言にまどわされない方法

Xに投稿された2枚のスクリーンショットが、一部で注目された。その画像には「日本人全員を殺せ」などと書かれた中国語の投稿が収められている。一見すると中国人による反日系のポストに見えるのだが、この投稿は中国人でない人物が、イスラエルから行ったものだとみられている(現在は削除済み)。

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Xでは、2025年に「このアカウントについて」という機能を追加。過去の投稿などから国や地域単位などでアカウントの持ち主の居場所を表示したり、どこからインターネットに接続しているかなどを表示したりする。機能追加当初は、アメリカ人YouTuberの所在地が日本になっていたり、NHKのアカウントがアメリカから発信していることになったりと、誤った情報の表示が多発したが、現在これらのバグはほぼ修正され、基本的に正しい所在地が表示されているとみられる。

インターネットに接続した場所を隠す手段である「VPNサービス」を使用した場合、地名を選択すると「VPNなどを使用している可能性がある」と表示される。また、接続場所についてはChina Android Appなどと表示され、中国国内で使用されているサービスを使った上で接続されることを示すケースが多い。だが、日本人を殺せと投稿したアカウントの概要を見ると、アカウントの所在地はイスラエルになっている。

該当アカウントが中国人でないという疑惑は他にもある。「日本人全員を殺せ」という言い回しは、ネイティブな中国語話者なら少し違和感を持つかもしれない。本来、このような政治的かつ過激な主張をするのであれば「日本人を殺しつくせ」という言い回しにした方が自然に見えることもある。

中国では、旧日本軍が華北地方で行ったという軍事作戦を「三光作戦」「三光政策」と呼称している。中国語の光には、「しつくす」という意味を含んでいるのだが、中国側は旧日本軍が「殺しつくす」「家を焼きつくす」「奪いつくす」の三点を行ったと主張。国民もそれに乗る形でこれらの呼称を使っており、2012年に中国各地で発生した反日デモでは、「光」の文字が入った日本へのヘイトスピーチも展開された。

このような経緯もあってか、冒頭から文章に違和感を持った中国語話者は少なくないようだ。所在地が香港で、過去に何度も横浜を訪れたというアカウントの持ち主は、「まるで機械翻訳のようだ」と日本語で返信。イングランド在住だと明記するアカウントは、そもそも文章に主語が存在していないことを指摘している。

自分の名前で「発音ミス」

アカウントの名前にもあり得ないミスがあるという。名前には「曽」の旧字体が、アカウントには「ceng」という文字がそれぞれ使われているが、中国語の発音では人名にこの漢字を使用する場合「zeng」という読み方になる。自分の名前を間違って記載していることに対し、疑問を持つ投稿が複数寄せられている。

さらに、このアカウントの過去の投稿をたどってみると、別の疑問も浮かんでくる。「琉球諸島は日本領だったことは一度もない。北海道と独島は韓国領だ」と突然日本語で投稿しているが、中国語の場合は「独」の旧字体が使われる。沖縄を琉球と呼ぶ中国の右派の主張、竹島を独島と呼ぶ日本語での便宜上の書き方、北海道が韓国領だとする誰も聞いたことのないような主張が混在する、支離滅裂な投稿になっている。

もちろん、イスラエルに滞在していた中国人がアカウントを開設し、わざと変な中国語で主張を始めたという可能性も0%ではないが、どちらかと言うと習近平国家主席はパレスチナ・ガザ寄りの発言を繰り返しており、イスラエルに滞在することそのものが、習主席をはじめとする指導部を含めた「主流派」に逆らうことになる。なにより、反日思想を持っているのに「日本鬼子」「小日本」という言葉がここまで一度も出てこないのは不自然だ。

人によっては怒りのボルテージが振り切れるかもしれない投稿だが、背後関係や収集できる情報を精査してみると、誤解から生まれる新たな論争の火種に巻き込まれずに済むかもしれない。

文/池田聖人 内外タイムス編集部

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