三重県、全国初の50万円以下の罰則付きカスハラ防止条例を議会に 可決なら2027年4月から
三重県が18日、全国初の罰則付きカスタマーハラスメント(カスハラ)防止条例の最終案をまとめた。同県はカスハラを防ぐため罰則付き条例の制定を目指し、9月に条例案を提出。可決されると2027年4月から施行となる。
条例案では、正当な理由なく店員に対して過度な謝罪や要求を突きつける行為や、卑わいな言動、つきまとい行為などを「特定ハラスメント」と定義。悪質な行為に対して、知事が禁止命令を出しても改善されない場合、検察や警察に告発し、有罪になれば50万円以下の罰金または拘留となる。
東京都は2025年4月に全国初となるカスハラ防止の条例を施行している。条例では、カスハラ禁止の明言や顧客に言動の注意を求めたほか、事業者には「必要かつ適切な措置を講ずるよう努めなければならない」と努力規定を設けた。
埼玉県は7月1日から条例を施行するとともに、県内事業者および団体を支援するため「カスタマーハラスメント防止対策コンサルタント派遣事業」を開始する。具体的には、専門家がカスハラ対策の基本方針やマニュアルの作成、研修を無料でサポートするというもの。また、県による一元的な相談窓口が6月24日から対応し始める。
改正労働施策総合推進法でカスハラ対策が法的義務化
政府の対応では、10月1日から改正労働施策総合推進法により、すべての企業にカスハラ防止措置が義務化される。
同法は、職場におけるハラスメント防止措置や多様な労働者の活躍を企業に義務付けるもので、2020年に施行。近年、カスハラが増加し社会問題と化したために改正された。これにより、カスハラ対策が初めて法的義務の対象となった。
改正では、カスハラから労働者を守るために、事業主が雇用管理上必要な対策を講じることが義務化された。具体的には、ハラスメントに対する方針を代表取締役名で対外公表する「ゼロトレランス方針」の策定や社内への相談窓口の設置、対策マニュアルの作成などを義務付ける。なお、対策が不足しており厚生労働省から改善を求める指導や勧告に従わなかった場合、企業名が公表される。
カスハラを行った当事者に対しては改正労働施策総合推進法としての罰則はないものの、威力業務妨害罪や強要罪、脅迫罪などに問われる場合がある。三重県の条例が成立すれば抑止力となるか。
文/並河悟志 内外タイムス編集部


