サイゼリヤの値上げに「むしろ安すぎた」の声 「ガリガリ君」は謝罪CMで何度も値上げを乗り越えた
イタリアンレストラン「サイゼリヤ」が29日より、通常店舗においてメニュー全般を平均約6%値上げする。同社の看板メニュー「ミラノ風ドリア」は、税込300円から320円へと改定され、本格的な価格改定は1999年の上場以来初となる。飲食チェーンの相次ぐ価格改定のなか、ついに値上げに踏み切った同社に対してSNSでは称賛の声が上がっている。
ミラノ風ドリアなどを値上げへ 「効率化徹底」のサイゼリヤ、努力だけでは限界か
値上げは本来、飲食企業に限らずマイナスイメージとなる施策。だが、今回の同社の値上げに関しては、SNSを中心に「むしろ今までが安すぎた」「サイゼリヤの値段だけバグっていた」との同情する意見が相次いでいる。例えば、現在、デニーズでは海老ドリアの価格は1111円(税込み)。サイゼリヤのドリアは前述の通り、これまで300円という破格の値段で、価格高騰の世の中でどれほど企業努力をしていたかが分かるだろう。
値上げで話題になった企業はほかにもある。2016年4月、赤城乳業は本社前で社長および約100名の社員がカメラに向かって深々と頭を下げ、10円値上げにわびを入れる姿をCMとした。同社の主力商品「ガリガリ君」が25年ぶり、60円から70円への値上げに踏み切り、これにより同社は販売本数が前年割れすることを想定していたという。
ところが、このCMが大きな話題となりYouTubeの再生は累計230万回に達し、米国紙「ニューヨーク・タイムズ」の1面にまで取り上げられた。また、2024年に70円から80円へ値上げする際も、“お辞儀がさらに深くなった”リメーク版を放映。
そして昨年12月にも、今年3月出荷分より80円から90円への値上げを発表しているが、真摯(しんし)に事情を説明する“正直さ”が消費者の心に届いたのか、SNS上には称賛の声が多く見られた。
また今月、居酒屋チェーン国内店舗数で1位を誇る「鳥貴族」が2025年5月以来の値上げに踏み切った。全品均一価格制を導入している同チェーンだが、今回の価格改定により全品390円(税込、以下同)から一律20円値上げして410円になった。また全品食べ飲み放題のコース「トリキ晩餐会」も1人3900円から4100円に引き上げた。
公式発表では、国産鶏肉や野菜などの原材料費、人件費、エネルギーコストの上昇を主な理由とし、「均一価格制を維持しつつコスト増に対応する」という判断のようだ。
冒頭のサイゼリヤ・松谷秀治社長は、会見で企業努力不足をわびるとともに「隙あらば安くしたい」とも発言していたことから一時的な措置という可能性もあり得る。はたして、物価高騰の中で前代未聞の“元の価格に引き下げ”はあるのだろうか。






