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うそをついて上場契約違約金3000万円 「ボタニスト」のI-neは何をしたのか

人気のヘアケアブランド「ボタニスト」などを手掛けるI-ne(アイエヌイー)に対し、東京証券取引所などを運営する日本取引所グループ(JPX)が、上場契約違約金として3360万円を課した上で、上場しても良い会社なのかを再審査する期間を指定している。

理由については「宣誓書違反」と書かれており、一見すると何が行われたのか分かりにくい状態だ。だが、日本取引所グループの公式サイト内に掲載された「理由の詳細」を見ると、全貌の一端を把握することができる。

違約金の決定に至るまでの話の発端は、2022年に行われた「Right Here」という会社との取引だ。当初、Right Hereが保有していたブランドを18億円で譲り受けたと発表していたI-neだが、そもそもRight HereはI-neの子会社や関連当事者に属する会社ではないかとの疑義が生じた。資本関係のない他社との取引と、グループ会社との取引では、決算書などに反映しなければいけない情報などが変わってくる。

調査時点では実態が分からなかったが、「実は関連企業でした」という事実関係の隠蔽(いんぺい)行為は、間違いなく心証を悪くする行為だ。ところが、さらにJPXの心証を悪くしたと思われる行為についても説明されている。それが、コンプライアンス意識の問題と位置づけた社長らの行動だ。

「3000万円の貸付」実際は

Right Hereの事業資金は、I-ne社長が貸し付けた個人資金が大半を占めていたとみられている。取締役会などでは3000万円を貸しているなどと説明していたのだが、実際は4.7億円をRight Hereに貸し付けていたことが判明。お金を貸す側の人物が、虚偽の説明を行ったことになる。

また、「理由の詳細」には、本当に単なる取引会社なのかを調べる前に、複数の経営幹部が証拠となり得る複数のデータ削除を行ったと記載。刑事事件であれば証拠隠滅等罪が適用され、新たな罪状が加わってしまうケースだ。ただし、今回は民間企業による実態調査であり、粉飾決算を行ったわけでもないので、誰かが逮捕されるようなことに発展する可能性は極めて低い。

現在のI-neは、東証プライムに上場している。株主にとっては不幸中の幸いだが、株価へのインパクトは限定的であり、遅れていた決算の発表が行われてからは安心感が先行し、日本株全体の相場の影響もあってか右肩上がりだ。しかし、今回の事案がきっかけになった上場廃止の可能性が消えたわけではなく、むしろ監視の目が強くなったと言って良いだろう。

IRニュースでは、調査結果に関する謝罪や報告書の訂正が並ぶ中、株主優待制度の実質的な改善、健康食品分野の売り上げ増など、ポジティブな情報も発信している。ボタニストブランドのSNSでも、7月に発売する新作商品、植樹活動のような社会貢献活動を宣伝しているのだが、社長の公式X(旧Twitter)は、今年の1月を最後に更新が止まったままだ。

文/池田聖人 内外タイムス編集部

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