「誕プレで二重に」小学生の美容整形を称賛する“ルッキズムの暴走” “麻痺する親の価値観”
SNSや動画配信サービスの普及に伴い、現代社会における美容医療を取り巻く環境は大きく変化した。ひと昔前までは成人が受けるものとされていた美容整形だが、近年は低年齢化が進み、中高生にとどまらず、小学生にも広がっている。
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昨年、大手美容クリニックが10歳の女子小学生に二重整形を行う動画をSNSに投稿したところ、「小学生のうちから整形を当たり前にしてしまうのはどうなのか」「今は満足していても、大人になってから後悔する可能性もある」「子どもに整形させるのは倫理的に問題」となどの批判が相次いだ。
対照的に、「かわいい」「人生変わりそう」といった称賛や、「コンプレックスで学校に行けなくなるくらいなら、小さいうちに二重にして悩みを解消してあげるのも親の愛情だと思う」といった肯定論も飛び交った。
医療機関や行政のデータも、整形への抵抗感が薄れている実態を示している。東京イセアクリニックの集計によれば、10代の来院数は直近2年で約1.5倍に増加。また、東京都消費生活総合センターに寄せられた「美容医療」に関する相談件数も、令和5年度の1878件から令和6年度には3168件へ跳ね上がり、増加傾向が顕著だ。
背景には、画像修正アプリなどで加工された写真がSNS上に日常的に投稿されて「理想化された容姿」に触れる機会が増えたことに加え、美容整形を公表するモデルやインフルエンサーの増加、SNS上での美容医療広告の広がりなども影響していると考えられる。
「かわいくしてあげたい」親の思いが子どもの整形を後押し
親世代の意識の変化も美容整形の低年齢化を考えるうえで無視できない要素のひとつだ。自身も美容整形を経験した親が増えたことで心理的なハードルが下がり、我が子のコンプレックスを解消したい、「かわいくしてあげたい」といった思いから施術を勧めるケースや、誕生日やクリスマスのプレゼント代わりに我が子へ整形を贈る親の存在も伝えられている。中には親の希望が先行し、子ども本人はさほど施術を望んでいないにもかかわらず、来院するケースもあるという。
一方、子どもの美容整形をめぐっては、成長過程にある身体への影響も考慮が必要だろう。施術後の顔立ちの変化や、将来的なリスクを指摘する声もある。また、外見に対する意識や自己認識が形成される時期でもあることから、美容医療が子どもの心理に及ぼす影響についても議論されるところだ。
さらに、SNS広告をきっかけとした消費者トラブルも問題になって久しい。「安価で施術できる」といった広告を見て来院したところ、カウンセリング時に別の施術やオプションを勧められ、高額な契約に至るケースなども報告されている。
ルッキズムが急速に広がる現代社会において、美容整形の低年齢化を単なる「時代の流れ」として受け入れてしまって良いのか。子どもの意思や成長への影響を置き去りにしないためにも、大人が立ち止まって考える必要がありそうだ。






