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「小渕の乱」が「反高市」ののろしとなるか 消費減税、会期延長をめぐって小渕氏と仲間たちが不満

会期末をめぐる攻防が激しくなっている国会。衆院議員の定数削減法案に反発する野党が審議を拒否するなど、高市政権にとっては厳しい状況が続くが、ここに来て首相の足元の自民党内も空気が変わりつつある。

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永田町に激震が走ったのが先月25日。自民党の小渕優子元選対委員長が突如、税制調査会(税調)のインナー(幹部)辞任の意向を小野寺五典税調会長に伝えたことが明らかになった。小渕氏は、高市早苗首相のもとで検討が進められている、食料品消費税1%への減税に反発していたとされる。

税調とは、来年度の税制を議論する自民党内の組織で、インナーはその中でも実質的に方向性を決める9人で構成されている非公式の会合だ。ここ最近は税調インナーの影響力が以前より低下したとも言われるが、伝統的に「首相でも口を出せない」と言われるほど税制改正の議論に絶大な権限を持ってきた。

そんな税調の幹部をなぜ小渕氏は辞任したいと申し出たのか。財務副大臣を務めた経験のある小渕氏は財政規律を重視。「責任ある積極財政」を訴える高市首相の考えとは距離があり、周囲に消費減税議論への不満を漏らしていた。

財政規律重視の姿勢には小渕氏の政治家としての系譜も関わっている。小渕氏といえば、1989年に消費税を導入した竹下登元首相が率いていた「平成研究会」(直近は茂木派)の中心的人物。小渕氏の父・恵三元首相は竹下氏の側近として知られ、娘である小渕氏も「平成研の姫」と呼ばれる重要人物だった。それだけに、高市内閣が進める消費減税の動きには否定的で、食料品の消費税を引き下げる動きには反発せざるをえなかったようだ。

「小野寺氏は自分が消費減税議論をリードしていることに満足していて、小渕氏の不満を十分にくみ取れていなかったようだ。その結果として小渕氏が辞意を漏らすまでになり、自民党内には驚きが広がっている」(全国紙政治部記者)

政権への不満をためるもう一人の重要人物

そして、小渕氏や旧平成研と、高市首相との溝の深まりはこれだけにとどまらない。もう一人の重要人物が、参院自民の中心的人物である石井準一氏だ。石井氏も旧平成研の出身で、参院平成研の大物として影響力をもっていた竹下亘氏(竹下登元首相の弟)や青木幹雄氏らの背中を見て育ってきた。

竹下氏や青木氏に「かわいがられていた」とされる小渕氏とも親しい。そして、石井氏は4月に自らを中心とした40人超のグループ「自民党参院クラブ」を立ち上げており、旧平成研のメンバーが中心となって周囲を固めている。

こうした動きをみせる石井氏ら参院側を今ざわつかせているのが、官邸が検討している「国会会期60日間延長論」だ。官邸は参院側とのやりとりのなかで、維新肝いりの衆院議員の定数削減法案や副首都法案を成立させるため、7月17日に閉会予定の国会会期を延長する案に言及。参院で与党が過半数を確保できていないため、17日までの成立は難しいが、会期を60日間延ばせば、憲法の規定により衆院で3分の2以上の賛成で再可決して成立させることができるため、会期延長論が浮上しているのだ。

ただ、これに対して参院自民では「参院の存在意義をないがしろにするのか」などと怒りもうずまく。こうして奇しくも小渕氏と、小渕氏に近い石井氏らの間に高市首相らに対する不満のマグマがたまる状況となっている。

「そもそも当初予算の年度内成立も官邸側が無理をして参院側に押し付けてきて、成就しないと不満をぶつけられた。衆院で3分の2を確保したからといって、法案審議でも参院を軽くみるのか」(参院自民関係者)

小渕氏の辞任は、単なる役職の辞意にとどまらず、近い石井氏らも巻き込んだ「乱」となっていくか。国会会期末に向け、野党だけでなく自民内でも「反高市」の不満がうずまく波乱含みの展開となるかもしれない。

文/中村まほ 内外タイムス

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