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米中間選挙後、トランプ政権の弱体化で米中関係はどう変化するか

3日の米中間選挙で共和党が上下両院の多数派を失ったことは、米中関係にも重要な影響を及ぼす。

トランプ大統領は残り2年間の任期で議会の強い制約を受けることになり、対中外交も新たな局面に入る。ただし、今回の結果をもって米国の対中強硬姿勢が大きく後退すると考えるのは早計である。

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第一に、中国にとってはトランプ政権の政治的弱体化を外交上の好機と捉える余地がある。今回の選挙では、物価高や関税政策への不満が共和党の敗北につながった。トランプ氏にとって、輸入関税の引き上げや対中貿易摩擦の再拡大は、米国内の物価をさらに押し上げるリスクを伴う。

そのため、中国は米国側の譲歩を引き出すべく、交渉で強気の姿勢を取る可能性がある。特に、両国間の貿易休戦の期限が2027年1月に迫るなか、関税引き下げや輸出規制の緩和をめぐる駆け引きが激しくなることが予想される。

第二に、米国議会による対中政策への関与が強まる可能性がある。民主党は2027年1月から上下両院を掌握し、予算審議や公聴会、政府高官への監督を通じて政権の外交政策をけん制できる。

弱体化=強硬姿勢の柔軟化ではない

特に、半導体、人工知能(AI)、量子技術など先端技術分野における対中輸出規制については、民主・共和両党の間に一定の共通認識が存在する。トランプ氏が習近平国家主席との首脳外交を優先し、対中技術規制の緩和を交渉材料にしようとしても、議会が反発する可能性がある。

つまり、中国にとってトランプ政権の弱体化は交渉上の好機である一方、米国の対中強硬姿勢そのものが弱まることを意味しない。

第三に、台湾問題が米中関係の不安定要因として一段と重要になる。トランプ氏は台湾への武器売却を中国との交渉材料として扱う可能性を示してきたが、民主党主導の議会は台湾の防衛力強化を重視する立場から、武器売却の遅延や対中譲歩に反発することが予想される。中国にとっても、米議会による台湾支援の強化は受け入れ難く、両国間の緊張を再燃させる要因となり得る。

さらに注目されるのが、11月18、19日に中国・深センで予定されるAPEC首脳会議である。トランプ氏と習主席の首脳会談が実現すれば、貿易休戦の延長や経済関係の安定化が議題となる可能性がある。しかし、米国内で政治的求心力を失いつつあるトランプ氏が、国内の反対を押し切って中国に大幅な譲歩を行えるかは不透明である。

結局、今回の中間選挙後の米中関係を特徴付けるのは、対立の終息ではなく、米国の国内政治に起因する不確実性の増大である。中国はトランプ氏の政治的弱体化を利用しようとする一方、米国議会の対中警戒を無視できない。

日本としては、米中首脳間の個人的な関係改善を米中対立の緩和と短絡的に捉えるべきではない。むしろ、台湾海峡、先端技術、経済安全保障をめぐる米中間の構造的競争が続くことを前提に、日米同盟の抑止力と経済安全保障体制を強化する必要がある。

文/和田大樹 内外タイムス

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