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「ネタは現場に落ちているんじゃない、ネットに落ちているんだ」ライターの肩書きが取材ライターに変わる瞬間

いつごろからだろうか。たぶん、2024年ごろだと思う。

僕はX(旧Twitter)を眺めながら一種の違和感を覚えていた。当時、僕はフリーライターだったので、タイムラインにはライター関連の情報が流れてくるのだが、気になった投稿の主をチェックすると、肩書きが取材ライターとなっていることが多くなってきたのだ。

月刊ダ・ヴィンチなどが相次ぎ休刊 雑誌の「紙からネット」で社会が失うものは

しゅ、取材ライター?最初は少なかったが、雨後のたけのこのように取材ライターは増え続け、今ではただのライターをしのぐ存在になっている(ためしにXの検索画面で取材ライターと検索してみてほしい)。

僕は思った。ライターって取材するもんじゃなかったっけ、あとインタビューライターっていうのもあった。ライターってインタビューするもんじゃなかったっけ、ライターという名前のなかに、取材もインタビューもすでに含まれているにもかかわらず、なぜ、わざわざ、取材ライター、インタビューライターと言わなければならないのか。このトートロジー(同語反復・「頭痛が痛い」みたいなもの)にはワケがあったのである。

それはいわゆるこたつ記事の存在である。

こたつとは、どこかのまとめサイトやウェブ記事からの引用だけで記事を作成することを言う。取材しないので、こたつでぬくぬくとパソコンを打っているというイメージからこたつという言葉が生まれた。

つまり、こたつライターがライターを名乗り始めてしまったために、ちゃんと取材するライターは、一緒にされないためにわざわざ取材と付け加えなければならなくなったというわけである。

しかしだ。僕が昔、ある週刊誌編集部にいたころ、ネットからネタをとってきた企画を編集会議に出したなら、足で稼げとよく怒られたものだが、今、その雑誌のウェブ版は、こたつ記事を量産している。足で稼ぐより、まずネットからネタを探せということだ。なんとも皮肉な話である。時代は変わった。

文/神田桂一 内外タイムス

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