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タイ政府、中国から支援を受けリサイクル産業を強化 電気自動車で狙う中国の思惑とは

10月27日、タイ政府は中国との産業分野における協力を拡大し、グリーン産業と低炭素経済への移行を進める方針を明らかにした。閣議で、タイ工業省と在タイ中国大使館の間で「メコン・瀾滄(らんそう)協力特別基金(MLCSF)」を活用した2事業に関する協定案を承認。中国側から提供される支援額は37万5900米ドル(約5900万円)となる。

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第1の事業は、メコン・瀾滄地域と中国におけるリサイクル産業の能力強化で、13万2900米ドルが充てられる。タイ工業経済事務局が中心となり、自動車用バッテリー、太陽光パネル、電子廃棄物などを効率的に回収・処理・リサイクルするための能力を調査・強化。同時にリサイクルに関する規制や政策の枠組みづくりも進めることになっている。

第2の事業は24万3000米ドルを投入し「ネットゼロ」を目指す。タイだけでなく、周辺諸国も対象に、企業や産業界が生産工程で温室効果ガスを削減しネットゼロに移行するための知識・技術・資源を整備する。

いずれも18カ月間の事業で、タイ政府は取り組みを通じて、資源の再利用による廃棄物削減だけでなく、環境規制や国際的な気候変動対策への対応力を高め、将来的にタイ産業の競争力向上につなげたい。そのうえで今回の2事業はタイ政府の追加的な財政負担は発生しないとした。

注目は前者のリサイクル産業だ。

タイにおける電気自動車の中国メーカーシェア率は……

タイは中国の電気自動車が台頭している。日本では先日「BYD」が軽自動車のクラスで進出しているが、タイの場合、「ZEEKR(ジーカー)」「AION(アイオン)」「Chery(チェリー)」「JAECOO(ジェークー)」「XPENG(シャオペン)」「GWM」など大小合わせて40近くのブランドがある。

タイ運輸省陸運局(DLT)のデータを基にジェトロが集計した数値を参考にすると、2026年9月のバッテリー式電気自動車(BEV)の新規登録台数は2万2589台、メーカー別(ブランドではなく企業グループ別)では1位がチェリー、2位SAICモーター、3位ジーリーとなっており、中国メーカー合計でシェアは88.7%にもなる。26年1~9月のメーカー別新規登録台数だと中国メーカーの合計シェアは90.4%だ。

あくまでも電気自動車であって、ハイブリッドでは同データの26年1~9月メーカー別新規登録台数は日本メーカーが合計シェア97.6%となっており、街中に中国車があふれているわけではない。とはいえ、日本よりも多くのBEVが走っており、バンコク都内は各所に、他県でも中心部なら充電施設も増えてきている。

タイの場合、中国企業に対する不信感が日本ほどない。BYDがタイ市場に力を入れ始めた時期は故障などの多発で信頼を失いつつあったものの、現在は多くのメーカーがタイで製造もしており、アフターケアは充実しつつある。また、価格も安い。

「CHANGAN(長安汽車)」の「DEEPAL S07」は122万バーツ~(約580万円)となり、決して安くはないが、ホンダのほぼ同じサイズの「CR-V e:HEV」は141万バーツ(約671万円)で100万円近くも差がある。タイはガソリンが日本とほとんど同じ値段なので、家計をシビアに計算する世帯は電気に移行しやすい。

これだけ増加している電気自動車なので、この先何年かのちにはこれらの買い替え・廃車なども必然的に増加するわけで、その際の処理が問題になる。タイ政府は電気自動車を売りたい中国の援助を受けて、処理能力を高める動きを始めた。

タイでもいまだ電気自動車・従来のエンジン車のメリット・デメリットの議論はある。他方で、日本とは異なり電気自動車に気軽に買い替える人も少なくないので、少なくとも日本よりはモータリゼーションの電気化は進んでいくと見られる。

文/髙田胤臣 内外タイムス

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