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客単価1200円台のココイチ 深夜料金導入で値上げ路線に限界か

「カレーハウスCoCo壱番屋(ココイチ)」を運営する壱番屋の業績に一服感が見られる。2026年3~8月期は営業利益、純利益ともに会社の計画を下回ったのだ。

その要因の一つが、客数の伸び悩みだ。第1四半期の客数増加率0.5%を第2四半期のマイナス0.5%が打ち消し、上期の客数は前年同期と同水準になった。既存店の売上高も前年同期比2.9%増になると見込んでいたが、実績は2.4%増にとどまった。

トッピングのみのセットを商品化 カレー店は「カレーだけの店」から脱却するか

これまでココイチは「強気の値上げ」を繰り返してきた。2022年3月期に983円だった平均客単価は翌年に1000円を突破。2026年3~8月期には1200円台に達した。客数の減少を客単価の上昇で補ってきた。

しかし、2026年2月期は営業利益が前期比で4.3%減少し、営業利益率も前期の8.1%から7.2%に低下した。

上期業績は会社の予想を下回っているのだが、通期計画は据え置いた。売上高は前期比10.8%増の726億円、営業利益は同6.0%増の50億円を見込むという。上期の業績を単純に2倍しても、通期の計画には到達しない。強気の計画といえるだろう。

ココイチは2026年9月1日から深夜料金を導入し、22時~翌5時は通常料金に7%が上乗せされる。一部トッピングの価格も改定し、44種類のうち、ソーセージなど12種類を平均17%値上げした。

新料金を導入した9月は既存店売上高が前年同月比1.4%減少。客単価は同6.1%増加したが、客数は同7.0%減少した。価格改定後、初めての「成績発表」となったが、客数減を客単価の上昇で補いきれなかったようだ。

客離れを「起こさない」マクドナルド

ホットペッパーグルメ外食総研の「有職者のランチ実態調査」によると、平日ランチ1回あたりにかける予算で、「外食店内での食事」は1338円だった。これと比べると、ココイチの平均単価である1200円は、予算を大きく外れた価格ではないように見える。

だが、この調査は首都圏・関西圏・東海圏の都市部を対象としている。LINEリサーチの「外食のランチ価格に関する調査」において、外食ランチで高いと感じる価格は、男女ともに「900円~1200円未満」が最多だ。

ココイチはもともと大衆向けのカレーチェーンだったが、度重なる値上げにより、気軽に利用できる価格帯から離れつつある。原材料高の影響を受け、値上げを繰り返してきたのは間違いないだろう。

2026年3~8月期は、原材料費や物流費の高騰が営業利益を押し下げた。だが、値上げによる価格転嫁が避けられなかったとしても、客数が減少すれば収益性の改善には限界が生じる。

値上げで重要なのは、価格転嫁を進めても顧客から選ばれる価値を提供し続けられるかどうかだ。

例えば、マクドナルドも度重なる値上げを実施してきたが、客数への影響を抑えながら成長してきた。モバイルオーダーやセルフ注文端末の導入で、待ち時間の短縮を実現。デリバリー、テークアウト、イートインそれぞれの利用シーンに最適化し、利便性を高めてきた。

人気メニューのリニューアルや新商品の投入などでも、顧客の心を離さないようにしている。「倍バーガー」「ポテナゲ」といった夜メニューの強化に加え、21日からは午後2時以降に注文できる新セットメニュー「390ペア」も開始。手頃な価格の新メニューを投入し、朝食・昼食・夕食に加え、カフェタイムの需要も取り込む構えだ。

このように、マクドナルドは顧客に選ばれる価値の提供に力を入れているように見える。

ココイチでも、新メニューの投入、過去の定番料理の復活企画、ドラマ「VIVANT」や映画「ちいかわ」のような注目作品とのコラボなど、さまざまな施策を展開している。しかし、新たな施策や人気メニューを投入するだけでは、客単価の上昇に依存した戦略から抜け出せず、収益の拡大には限界がある。

ココイチは今後、いかに客数を増やすかが重要になる。1食1000円台が当たり前になった大手カレーチェーン店は、価格に見合う価値を提供できるのだろうか。

文/不破聡 内外タイムス

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