中道20億円の選挙費用は誰が決めたか 年間政党交付金の大半が消える異例の資金計画
中道改革連合が炎上している。所属議員は衆議院議員の渡辺創氏のみで、残務処理のため当面存続するにもかかわらず、政党交付金の残り11.7億円を満額受給する予定だからだ。事実上解体された政党へ税金が投じられるのは、国民の理解が十分に得られるとは言い難い。
小川淳也元代表によると、中道が2026年2月の総選挙で民間事業者への委託費などの支払いに約20億円を要したそうで、事業者への未払金が10億円以上残っている。支払いに、政党交付金を充当するという計画である。
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この行動に対する是非は多くのメディアで取り上げられている通りだ。ここでは、中道の資金繰り計画の問題点について指摘したい。
今回の騒動を知った多くの人は、政党交付金の大部分が選挙費用に消えることに違和感を持ったはずだ。
総務省の「令和6年分政党交付金使途等報告書等」によると、2024年10月の衆議院議員選挙において、立憲民主党はおよそ14.3億円の選挙関係費を計上している。
他に7.6億円の宣伝事業費を使っているが、すべてが選挙に投じられたわけではない。党の通常の広報や宣伝活動にも使われているからだ。しかも、立憲民主党本部の宣伝事業費は約1.3億円。残りは各支部に支出されている。
2024年の立憲民主党の候補者は237人。2026年の中道の候補者は236人だ。単純比較はできないものの、候補者数はほぼ同じだった。
2024年の立憲の選挙関係費は約14.3億円だったのに対し、中道が抱えた総選挙の支払いは約20億円になる。インフレであることを加味しても、この間の物価上昇率は4~5%程度だ。中道の資金繰り計画は無鉄砲だったようにも見える。
重くのしかかる「落選者支援」
2024年の選挙では、立憲民主党の議員は148人が当選している。政党交付金は議員数や得票数で金額が決まるため、立憲民主党は政党交付金の2割程度が選挙費用となり、残りを政党の活動費に回すことができた。だが、中道として初めて挑んだ2月の衆議院議員選挙の当選者は49人だった。
中道は5月にクラウドファンディングを実施し、6月には最終目標の金額だった1億円の「集金」を達成した。こうした取り組みは資金難解決の手立てとして、一定の評価はできるが、別の取り組み方もあったのではないだろうか。
参考になるのが、かつて存在した国政政党「希望の党」だ。2017年10月の選挙で235人を擁立し、50人が当選。中道と同じく選挙後に資金繰りの問題が表面化した。だが、党は落選した選挙区支部長に対して、月額50万円、年間600万円の支給を決定。候補者が支払った供託金の300万円も党が返還している。資金繰り悪化を防ぐため、銀行からも借り入れた。
中道も落選者に対し、40万円の資金支援を決めた。ただし、後に1人当たりの支給額を減らし、対象を広げる方針に変更している。この原資は政党交付金だという。
だが、政党交付金以外にも、寄付や政治資金パーティー、借り入れなどで活動資金を調達する選択肢はあっただろう。先述の通り、クラウドファンディングによって1億円の「集金」を達成している。
2月から中道の代表となった小川氏は、政治資金パーティーを制限するつもりはないと明言。3月の会見では、パーティーを「推奨したい」とも発言している。このことから、落選者への支援を政党交付金という税金で賄うのは、無謀な判断であるようにも見える。
このような言動を見せるのは、多額の選挙費用を投じたことに端を発する、資金計画のずさんさが原因だろう。
中道の規約では、年間予算は幹事長が編成し、常任幹事会の承認を得るとある。当時の共同幹事長は安住淳氏と中野洋昌氏で、共同代表は野田佳彦氏と斉藤鉄夫氏だった。では、約20億円もの選挙関連支出を誰が決め、どのような資金計画を立てたのだろう。
中道は、一定の議席を確保できるとの前提を「最大の誤算」と総括した。約20億円規模の選挙関連費用についても、この楽観的な議席想定を前提に資金計画を組んでいたのか。旧執行部には、その意思決定過程を説明する余地が残されている。
文/不破聡 内外タイムス






