【演芸諸行無常】「もらえた人間は与える側に」真打ち2人が後輩のために汗、池袋で二つ目のみ出演の深夜寄席開催
この秋、落語家の二つ目が出演する新たな高座が誕生する。
深夜寄席@池袋演芸場。
現在、新宿末広亭で第4土曜日21時に開演している二つ目だけが出演する落語会、それが深夜寄席。コロナ禍前は毎週土曜日に開催されていて、近隣の飲食店の前まで行列ができ、出演者が交通整理に追われるという盛況ぶりだった。コロナ禍を経て、月に1度で復活していた。そこに今度、第2土曜日に池袋演芸場で深夜寄席が開催されることになったという次第。
開催に向け動いたキーパーソンは、落語芸術協会(春風亭昇太会長)所属の柳亭小痴楽(37)と落語協会(林家正蔵会長)所属の蝶花楼桃花(45)だ。2人は真打ちのため、深夜寄席に出ることはない。にもかかわらず、後輩芸人のために汗を流した。
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春風亭昇太会長「若い2人が動いてくれてありがたい」
先ごろ開かれた会見には小痴楽と桃花、実際に運営を担当する二つ目の柳亭信楽(43)と三遊亭花金(36)が登壇した。
小痴楽は「自分は(柳亭痴楽の息子という)二世だったので、出番をもらえた。経験値を積めた。そんなこともあり、下(後輩)の出番を増やすのを頭に入れて常に動いてきた。もらえた人間は与える側にならないといけない」と言葉を紡ぐ。何という男前な!
昇太会長を取材する別の機会があり、深夜寄席について尋ねると「若い2人が二つ目さんのために動いてくれて、ありがたいですね」と、小痴楽&桃花の献身への感謝を口にした。
落語芸術協会と落語協会から2人ずつ
新宿末広亭の深夜寄席の出演者は、奇数月が落語芸術協会所属の二つ目4人、偶数月が落語協会所属の二つ目4人という布陣。
池袋演芸場の深夜寄席は、「両協会の若手が一緒に出る。これは今までになかったこと」と桃花は胸を張る。出演者は4人だが、その内訳は両協会から2人ずつ。混合の顔付け(プログラム)になる。
木戸銭は1500円。桃花の口調は次のように熱を帯びる。
「若手3人がランダムに出ますので、推しを見つけるにはいい。しかも1,500円。ひとり380円ですよ」と笑わせつつ「こんなコスパのいい落語会はない。推しを見つけるにはうってつけの会だと思います。1時間半でざっくり見られますし、落語を聞いてくださるお客様の入り口になれば」と、新規落語ファン獲得のためのゲートウェイ効果も期待する。
「真打ちに向けていい経験」
会見に出席していた信楽は「二つ目の人数が多く、なかなか寄席(の高座)に上がる機会がない。寄席は不特定多数のお客さんがいらっしゃるので、自分のことを知らないお客さんの前で自分の芸を試す機会になる、実力を試せる絶好の機会になる」と言葉をときめかせる。
花金も「熱量の高いお客さんが来ていただけると、大ネタができるし、長めの時間も試せるので、真打ち(昇進)に向けていい経験ができる」と期待を寄せる。
小痴楽と桃花、そして9月21日に真打ちに昇進する春風亭一花(39)が出演するスペシャルプレ公演が9月5日(土)に、さらに翌週の12日(土)には両協会の会長、正蔵と昇太がそろい踏みで、初回スペシャル(二つ目は林家あんこ、春風亭かけ橋、三遊亭東村山の3人)に花を添える。
文/渡邉寧久 内外タイムス






