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【福田淳の対談闊歩】玉木雄一郎(第3回)総理大臣になる気持ちはなくなったことがない その思いがないなら身を引くべき

玉木雄一郎が率いる国民民主党は「対決より解決」をモットーに掲げ、103万円の壁を動かし、ガソリンの暫定税率廃止するなど、野党の立場から施策を実現してきた。今の日本経済について元財務官僚の玉木代表はどのように見ているのか。また、続投を目指す9月6日開票の党代表選に向けて、どのような政策を打ち出すのか。今後の展望を聞いた。

【福田淳の対談闊歩】玉木雄一郎(第2回)「決断できない」のではなく今は高市政権に与しない立場を取っている から続く。

福田 何をすれば経済効果が高いんでしょうか。単に若干円高になってという感じですけど、もっと抜本的な経済政策でいったら何なんでしょう?

玉木 協調介入で円高に戻しても長く続かないのかな。

福田 続かないですよね、戻りますよね。

玉木 なぜかというと、基本的に大事なものを海外に依存しすぎたからです。例えば、ホルムズ海域を封鎖して、ポテトチップスの袋が変わるみたいなことがあったんだけど、仮に供給があっても、油代として毎年25兆円払っているんですよ。原油の決済っていうとドル建てなんです。

福田 ヘンリー・キッシンジャー(米元国務長官)が決めてから。

玉木 だから、円を売ってドルで払わなきゃいけない。支払い通貨としてのドルの需要は、当然たくさん輸入するほど高まるから、円安・ドル高になる。国内でどんなに頑張って働いても、根こそぎ富が外に出ていかざるを得ないっていう状況。

それを外貨建てで払ってください、となっていることが、日本国内で働いている人の給料がなかなか上がらない一因になっている。知らないうちに富が流出するっていうね。バケツの穴を塞いでいかなければいけない。

福田 明快になりました。ちょっと前の言葉で「プッシュ型」「プル型」ってあって、結局、我々はデータを取られてフィルターバブルの中にいるわけですよね。一方的にプッシュで出すことで、知らないことを知るきっかけになりますよね。

僕みたいにスポーツに全く興味のない人間にとって、NHKでスポーツばっかりやっている間って、NHK BSの各国の国際ニュースの枠をループしているんです。ベトナムがどうなっている、フランスどうなっているって一通り分かるんですよね。あれを見られないとなると、その1週間は国際情勢が全く入らないわけですよ。

次の段階には創造的破壊が必要

福田 だからSNS規制、プッシュ型メディアの強化。北欧でありますけど、コンストラクティブジャーナリズム(建設的ジャーナリズム)という提案型でないと。「あれダメ」「これダメ」ではなくて、「これはダメだけど、こういうアイデアがあるよ」まで言わないとダメだと思うんですよ。

玉木 うちは政党として「対決より解決」ということで、コンストラクティブ・ポリティカルパーティーを目指そうとしています。どう考えても税金の使い方がおかしいし、クールジャパン機構は破綻した。最初からちゃんとやっとけという話なんだけど、やるならこうやって変えましょう、こっちの方がいいですよということまでセットでやらないと。ジャーナリズムも含めてね。

福田 (国民民主党の)代表選挙が近づいていますね。どのような政策を掲げて戦いますか?

玉木 原点を大切にしつつ、やっぱりトップの責任として組織をどう変えていけるかだと思います。自分を含めて変えられるか。2020年9月に15人で苦労してスタートした国民民主党も、たたかれまくって、だけどお支えいただいてきた。103万円の壁とか、ガソリンの暫定税率廃止といった政策も実現しつつ、(国会議員が)53人まで増えました。

全国でも(地方議員が)360人いる。ここからは第二創成期ではないけれど、次の段階には創造的破壊が必要だと思っています。「対決より解決」の姿勢や「一生懸命働いた人が報われる社会にしよう」というベースは変えずに。AIも入ってきたし、コミュニケーションのあり方とか、地方組織の作り方、また新しい人材をどう入れていくかとか、次の段階に向けて自分たちはどのように変えられるのかということをしっかり問いたい。

身内の選挙なので、もう1回、党員サポーターや中の人にも方向性を共有して、「次に向かっていこうね」というきっかけにしたいと思っています。

福田 いいですね。

可処分時間も増やしてもっと豊かな日本に

玉木 最近、思うことがあって。可処分所得で手取りを増やすことも大事なんだけど、「可処分時間」という、自分が主導権を持って使える時間がもっと必要かなと。可処分所得と可処分時間が増えれば、日本の社会はもっと豊かになると思います。

福田 そう思います。やっぱり人生で何が大事かって言ったら、自分の人生の総時間だと思っているんです。僕に秘書はいないので、自分で断るわけですよ。時間は無理やり作らないとできない。なんか予定を入れちゃうじゃないですか。

玉木 入れる。確かに。あと、政策的にも個人的にも、最近はロンジェビティ(長寿)ですね。もっと言うと、人間の幸せを高めていくという意味では、美と健康。昔は(サザエさんの)磯野波平さんは54歳の設定だったわけですからね。

福田 信じられないですよね。

玉木 みんな社会的貢献の時間を増やしているから、それをどううまく使っていけるか。あるいは自分自身の満足感につなげていけるかというのも、すごく大切だなと思っています。

福田 この間、「筋肉革命95」っていう本を出された著者(酒向正春氏)の方とお会いしたんです。「95歳でも自分の行きたい所に行ける体を作りましょう」って、それだけの本なんですよ。そのために「スクワットを10回しましょう」とか、老人に向けた本なんです。90歳を過ぎて行きたい所に行けるかどうかって、言われてみれば課題ですよね。

玉木 課題、大課題。今度、8月の暑い中、93歳の人とゴルフをするんです。その人は(ボールを)飛ばすんですね。私も90歳になっても、自分より20歳も30歳も若い人とゴルフが出来る人生だったら、きっと幸せな人生だなと。

福田 今、だから寿命と健康寿命の間に9年から10年ぐらいあるじゃないですか。ということは、その間寝たきりになるっていうデータ的事実があるわけで。それを何としても避けることが、国力も上げるし、幸せにつながるんじゃないかなと思います。

最後は神頼みと他力本願。「まあ、なんとかなるわ」(笑)

玉木 高齢者を支える側で若い人が肩車型になっているんですが、同じ人がいつまでも下にいればいいんです。つまり労働人口は、若い人が減って、下が減って、上(老人)が増えてじゃなくて、同じ人が長く下にい続けて、上にいる時間が極めて短ければ、この構図は崩れないんですよ。

福田 世界的な長寿国家としての責務ですよね。

玉木 その最初のモデルを、日本から発信できると思っているので。個人の幸せというのは、世界的課題の解決につながるんじゃないかと思っています。

福田 素晴らしいです。代表選、頑張ってください。さて、編集部から質問があるそうです。

編集部 玉木代表は「公党の代表として内閣総理大臣を務める覚悟がある」とおっしゃっています。今もその覚悟はおありですか?

玉木 当然あります。僕が衆議院議員を目指したときから、一国を担っていくリーダーとして頑張るんだという気持ちはなくなったことはない。公党の代表なので。その思いがないのなら、それは本当に身を引くべきだと思っていますから。頑張りたいと思います。

編集部 今、米国で「ハードシングス」という本が話題になっています。著名な経営者たちが人生の一番苦しかった時、どう困難を乗り越えたかという内容です。玉木代表の人生におけるハードシングス、最も苦しかったことと、それをどう乗り越えたかを教えてください。

玉木 やっぱり2020年9月に、たった15人で、つぶれてなくなると言われた国民民主党を覚悟決めて立ち上げた時ですね。みんなからもたたかれたし、連合からもたたかれたし、メディアからもたたかれました。でも、覚悟を決めてやって、ここまで残ってきたので、次につなげたいなと。

どうやって乗り越えたかっていうのは、よく寝て、そして「まあ、なんとかなるわ」と思って顔を上げる。そして、仲間を信じることですね。1人ではできないので。究極、大事なのは、神頼みと他力本願。最後は神頼みと他力本願ということです。

福田 大事だと思いますよ。どうもありがとうございました。

《プロフィール》
玉木雄一郎(たまき・ゆういちろう)衆議院議員(7期目)、国民民主党代表。1969年、香川県生まれ。1993年東京大学法学部卒業。旧大蔵省入省。1997年ハーバード大学ケネディスクール修了。2005年財務省主計局主査を最後に財務省を退官。衆議院議員総選挙に初出馬、落選。2009年衆議院議員総選挙に再び出馬し、初当選。元アスリート(十種競技)。YouTube「たまきチャンネル」の登録者数は約60万人。趣味はピアノ、ギター、カラオケ、筋トレ、ランニング。

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