15歳の家出少女に「家来てもいいけど、家賃払って」 トー横の「いのっち」初公判 その生々しいLINEのやり取り【裁判傍聴記】
新宿・歌舞伎町のトー横で知り合った家出中の少女(当時15歳)に「家に来てもいいよ、家賃分くらいは支払って。歌舞伎町でパパ活をすればいいよ」などと言って売春させるなどして、井上翔太被告(24)が売春防止法違反や不同意性交、性的姿態撮影、児童買春・児童ポルノ法違反(児童ポルノ製造)の罪に問われている事件。東京地裁(稲田康史裁判長)で8月20日、初公判が開かれた。この日は夏休みとあって、大学生や高校生らが抽選で並んだ、52の傍聴席をめぐって100人以上が並んだ。
井上被告はグレーのTシャツを着て、スウェットをはいて出廷した。起訴状の朗読の後、売春をさせたことなどは認めたものの、「心理的圧迫や困惑させていない」などと一部を否認。量刑を争っているようにみられる。
起訴状や冒頭陳述などによると、井上被告は高校卒業後、工場やホストクラブで働いたあと、犯行当時は定職に就いていなかった。26年4月ごろから生活保護を受け、一人暮らしをしていた。
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少女2人への犯行、大筋認めるも一部否認
2025年7月7日、新宿・歌舞伎町のシネシティ広場周辺で、家出をしていたAさん(当時15歳)と知り合った。Aさんは井上被告に信頼と好意を抱いた。井上被告は、Aさんはそうした気持ちがあるのを知りながら、交際をすることを提案。同時に、家に一緒にいるとともに、井上被告のために売春をしてもらう旨をLINEのメッセージに送った。その内容は以下の通りだ。
<リアコ(恋人)になってほしい>
<家に来てもいいよ。でも、家賃分くらいは払ってもらいたい>
<歌舞伎町でパパ活をすればいいじゃん>
<案件頑張ってね>
<1件だったら7万円か6万円かな>
<2件目も頑張って>
<あと一件、終わったら教えて>
検察側としては、「井上被告と関係を続けるならば、売春して井上被告に金銭を渡さなければならない」という心理的圧迫を加えて、Aさんを困惑させた結果だとした。
また、別の事件で裁判中の男=不同意わいせつ、児童買春・児童ポルノ法違反、性的姿態撮影、AV新法違反で裁判中=を相手に4万円の対償を得て性交をさせた上で、対償の一部である2万円を受け取った。つまり、売春の仲介をしたということだ。
売春斡旋は、全国で行われているが、歌舞伎町の「トー横」が注目されたことで、売春をする人と斡旋する人が出会いやすくなった。今回の犯行は、恋愛感情や信頼関係を井上被告が利用した疑いが持たれている。
被告人からAさんへのLINEのメッセージの中には、立ちんぼを促すような内容も含まれている。
井上被告は、Aさんの売春斡旋行為について事実関係は認めた。しかし、「心理的圧迫(脅迫)」や「困惑」については否認した。つまり「困惑等による売春」を否認した。この部分は、量刑に関わることで、井上被告がうまく説明できない部分について、代理人も口を挟んだ。
また、26年1月、歌舞伎町のトー横と呼ばれるエリアでBさん(当時14歳)と知り合った。年齢も確認した。そして4月からBさんと頻繁に会うようになった。そして5月5日、歌舞伎町の温泉施設で口腔性交をした。このことは従業員に目撃された。
また5月9日、歌舞伎町のホテルで口腔性交をし、井上被告のスマホで動画撮影をした。そしてデータを保存した。これは性的姿態撮影であり、Bさんが14歳であることから児童ポルノを製造したことになる。
Bさんに対する部分について井上被告は「間違いない」と起訴事実を素直に認めた。
AさんとBさんの母親の供述調書が読み上げられ、「絶対に許せない」など処罰感情があることが示された。
井上被告はトー横で「いのっち」と名乗り、界隈では知られていた。起訴されている事実のほかには、知り合った少女らに精神科を受診させて、処方された向精神薬を転売していた事件でも逮捕されている。
文/渋井哲也 内外タイムス






