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終戦記念日に思うトランプ大統領とマッカーサー元帥 大戦後のスキームで平和は続くのか

8月15日は先の大戦から81年目の終戦記念日だ。正式名称は「戦没者を追悼し平和を祈念する日」。大戦が終わった直後に生まれた人も、81歳になり現役を引退したものがほとんどだ。ましてや戦争を体験している国民は非常に少なくなった。

先の大戦は政治的立場等によって、大東亜戦争、太平洋戦争、第2次世界大戦など呼び方が異なるが、一般的には昭和16年(1941年)12月8日の大日本帝国海軍によるハワイの真珠湾攻撃から、昭和20年(1945年)、時の天皇陛下(昭和天皇)の玉音放送により国民が敗戦を認識した間の3年8カ月と考えられているだろう。

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米国によるイランへの攻撃と似ている点

2025年、米軍とイスラエル軍は、イランの核関連施設に攻撃を加えた。

2026年2月28日からはイラン全土に対する全面的航空攻撃を行っている。この攻撃に際しては、まずイランの国土上空を自由に飛行するため、レーダー施設、対空ミサイル施設をたたき、一般に言われる「制空権」を得ている。

航空機は同じ場所にとどまることができないため、軍事的には「航空優勢」という言葉を使う。米軍、イスラエル軍は、以降おおむね自由に、安全を脅かされることなく、イランの国土全域の上空を飛行し、軍事目標等を攻撃している。

このことは、終戦前の約半年間、我が国に対する米軍(当時は陸軍航空隊)の爆撃機が、日本本土の上空を全域にわたり、ほぼ完全に支配し、自在に軍事目標をはじめ100か所以上の都市に爆撃を行った点と似ている。

イラン攻撃と違う点①新兵器B-29の投入

現在のイラン戦争では、航空機の他、ミサイル、ドローンが多用されているが、当時米軍はこれらを保有していなかった。したがって、航空機は目標上空まで飛行することが必要だった。

ただし、ヨーロッパ戦線では、米英軍の敵であるナチスドイツ軍が新兵器としてⅤ-1(現代のドローンまたは巡航ミサイルに相当)とV-2(現代の弾道ミサイルに相当)を新兵器としてロンドン等への爆撃で使用している。

米軍(陸軍航空隊)はB-29という新兵器である爆撃機を投入し、日本の都市に対する戦略爆撃に使用した。

B-29は高高度を飛行するため、日本の戦闘機は迎撃が極めて困難で、高射砲等も役に立つことが極めて少なかった。結果、自由に目標上空に飛来し、爆弾、焼夷弾を投下した。

イラン攻撃と違う点②都市無差別爆撃

今回のイランへの航空攻撃では、ほとんどが軍事目標、軍関連施設等であり、軍事拠点、レーダー施設、ミサイル・ドローン基地、軍需工場などといわれている。

しかし、先の大戦当時の我が国に対する攻撃は、軍事施設も目標ではあったが、B-29による爆撃は主として都市を無差別に攻撃し、民間人を殺傷することを目的としているのが大きな相違点である。

特に1945年3月9日、10日の両日に行われた、東京大空襲では10万人以上の民間人の犠牲者が出た。

さらに8月6日の広島と8月9日の長崎に対する原子爆弾の投下は、20万人以上に及ぶ民間人の犠牲者を出し、その後も原爆症などの災禍を与え続けている。

米軍は、広島、長崎の他にも原爆投下の目標都市を設定しており、場合によっては小倉、新潟などにも投下された可能性がある。8月9日の原爆投下の第1目標は小倉市であり、天候などの視界の悪さで長崎に目標が変更されたのが事実だ。

トランプ大統領とマッカーサー元帥

2025年1月20日の第2次トランプ政権の発足以来、世界の安全保障、経済関係は大きく動いている。この変動の大元がトランプ大統領であることは、世界中の人々が承知している。

特に今年に入ってからの、米国によるベネズエラへの軍事行動と、ベネズエラ大統領の拘束、そしてイランへの全面的航空攻撃は、2022年2月のロシアによるウクライナに対する侵攻、2023年10月のイスラエルによるガザ地区への軍事行動などとともに世界中を驚かせた。

現代における世界の戦争、平和に関して、最も影響力がある人間がトランプ大統領であることは誰しもが納得するところだ。今後の世界情勢についても、トランプ大統領は大きな影響を及ぼすであろう。

1945年終戦時の、日本に限って言えば、現在のトランプ大統領が世界に及ぼしている影響力と同じか、またはそれ以上の影響力を持つ人間がいた。米国陸軍の軍人ダグラス・マッカーサーである。終戦時、厚木飛行場に降り立った、コーンパイプをくわえたサングラス姿を記憶している人も多いだろう。

連合国といっても実態は米国であるが、連合国総司令部(GHQ)の最高司令官という立場だったマッカーサー元帥は、占領下で主権の無い日本に対する全権を持っていた。日本の武装解除を第1の目的とし、極東軍事裁判という事後法による裁判を開き、大日本帝国憲法の日本国憲法への変更をはじめとするソフトウェアの作成、農地改革、財閥解体、教育システム運営など、日本政府に実行させる判断のすべてに強力な影響力を行使した。

戦後の日本国のありようについての基本的な事項のすべてについて判断した人間だ。80年後の現在も、我が国はマッカーサー元帥の強力な影響下でつくられた、大戦後のスキームから脱しているとは言えない。

日本は今後も平和であり続けるだろうか

先の大戦から80年、我が国は戦争を行っていないし、巻き込まれてもいない。平和である。この平和は今後も続いていくだろうか。

戦後しばらくは米国と西欧諸国対ソ連中心の共産主義国などとの間に東西冷戦が続いた。その後ソ連が崩壊し、東西冷戦は終結したが、世界各地では紛争が絶え間なく続いている。

さらに近年では、共産党独裁政権の中国の台頭、国連常任理事国ロシアによるウクライナへの侵攻、同じく常任理事国米国によるベネズエラ、イランに対する軍事行動など、戦後の平和を保ってきた機関や仕組みが大きく揺れ動いている。

トランプ政権はある意味、米国の本音に正直な政権だ。日本をはじめ、西側諸国はこれまでは米国に依存しすぎてきたのではないか。

一方、我が国では、大戦後80年のうち自民党系の政権が70年以上にわたって日本国を運営してきた。

日本は外交安全保障の基本を「日米基軸、国連重視」としてきたが、ここ数年の世界情勢、周辺諸国の状況を考えると、今後どうなるのか極めて心もとない。

自民党は、党の綱領に掲げている「新憲法の制定(憲法改正)」について実質手付かずの状態を続けてきた。高市政権になって、ようやく本腰を入れているようには見えるが、先行きは明確とは言えない。

戦争=軍隊=悪という認識を多くの国民に持たせたまま、国のために命を懸ける組織、すなわち自衛隊の位置付けをいまだ明確にしていない。

ロシアのウクライナ侵攻で明らかとなった「専守防衛」を国防の基本方針として掲げている。

国防のみならず、国家のソフト、ハードのインフラが老朽化しているのだ。

先の大戦からの80年間は、戦争がなかったからこそ、国防に関する実戦シミュレーションがないままの80年間だった。今後も平和が続くと誰が保証してくれるのか、日本国民自らが判断し、実践する時が来ている。

文/島本順光 内外タイムス

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