「わいせつ保育士チェック」使用されず 個人情報保護法との相性は
子どもに対する、わいせつな行為などで保育士登録を取り消された人物の情報をまとめた国のデータベースについて、全国の保育所など6000カ所以上の施設で活用されていないことが明らかになった。
盗撮で前科のある男性が2人同時に痴漢…不同意わいせつか迷惑防止条例違反か【裁判傍聴記】
問題となったデータベースは正式名称を「保育士特定登録取消者管理システム」といい、2022年(令和4年)6月に児童福祉法の改正により導入された。具体的には児童生徒性暴力などにより保育士登録を取り消された者(特定登録取消者)の情報をデータ化したもので、保育士を雇用する際には同データベースを活用することが義務付けられている。
だが、少なくとも6000の施設では「(データベースを)全く活用していない」「義務とは知らなかった」と答えており、適切に使用されていない実態が明らかになったのだ。
保育士特定登録取消者管理システムは、相次ぐ保育士による児童への性暴力事件により資格管理の厳格化が規定された。システムには氏名や登録番号、取消事由、児童生徒性暴力等に関する情報などが記録されている。だが、本データベースには実務的な活用が難しい側面もあるようだ。
こども家庭庁が公開している概要書によると、データベースを使用する際には「保育士を任命し、又は雇用しようとするときにデータベースによる検索を行うものとする」と限定されており、また個人情報保護法により「施設又は法人の採用責任者に対し1つのIDのみ付与」「事業所内でのアクセス権限は、採用責任者として登録された1名に限定」となっている。
つまり「データベースを使用できるのは施設にひとりだけ」とかなりの制限がかかってしまっているのだ。これでは「義務とは知らなかった」という声が上がるのも仕方がないかもしれない。
データベースは非常に便利であるがその一方で、個人情報保護法との相性は悪く、適切に活用されるのはもう少し時間がかかりそうだ。






