• 全国
  • サーキットブレーカー連発の韓国市場「借金して投資」の恐ろしさ
  • HOME
  • 全国
  • サーキットブレーカー連発の韓国市場「借金して投資」の恐ろしさ

サーキットブレーカー連発の韓国市場「借金して投資」の恐ろしさ

韓国の株価指数をめぐり、現地の「一般投資家」たちの間で悲しみ、苦しみの声が広まっている。6月に最高値を付けた韓国総合株価指数(KOSPI)は急落を続けており、サーキットブレーカーを連発しているのだ。

サーキットブレーカーとは、急激な株価の変動を抑制するために導入された制度。株価の暴騰・暴落とも言える現象が発生し、慌てる投資家たちの心理を落ち着かせるためにこの措置が取られる。日本の株式市場では導入されておらず、一部の先物取引市場においてのみ存在する。

韓国保守系大手紙・中央日報が経営危機に 新聞中心のビジネスモデルの限界示す

韓国では前営業日の終値から8%以上下落すると、取引の中断が行われる。だが、この現象は韓国市場において今年に入ってから7回も発生している。日本において一般的な株式指数を示す日経平均株価の場合、今年に入ってから前営業日比で8%を超える上昇・下落を記録した日は存在せず、高くても5%台。それを踏まえると、韓国市場の異質さを感じられるのではないだろうか。

日米などと同じく、半導体銘柄への資金流入などが背景にあるのだが、韓国特有の現象として借金して投資を行う手法「ピットゥ」に手を出す人が相次いでいる、という側面がある。借金して投資というと、自身の資産を担保にし、レバレッジを利かせた投資を行う信用取引を行う、という手法が一般的。だが、韓国では文字通り現金を借り入れた上で、株式投資に手を出す人がいるという。

また韓国では、一定の金額を借りられる「マイナス通帳」という制度が存在する。この制度を活用することにより、容易に投資の軍資金を入手できる。借金した資金を担保にして信用取引に手を出すという、ダブルの借金で投資に手を出す人が現れ、損失を出すことでパニック売りの生まれやすい土壌が醸成されてしまったようだ。

「ETF」の概念が壊れる

さらに、サムスンやSKハイニックスといった大手企業に直接投資するのではなく、それらの企業の値動きをより激しくし、さらなる利益を狙える上場投資信託(ETF)が、最近になって次々設定された。より多くの収益を狙う人々がこのETFに手を出したことで、結果的に指数に影響を与えるほどの大ダメージを受けてしまったようだ。

借金をした上で上がるか下がるかを予測し、自分が保有する資金以上を投入する行為は、もはやばくちと同じだ。そもそも投資信託は、リスクを抑えて少額の分散投資ができるように設定したもの。特定の企業にしか連動しないETFに手を出し、短期で売却益を狙うというのは、投資する側、ETFを設定した側双方が投資の目的を見誤っていると言わざるを得ない。

13日には、韓国で活動する投資系YouTuberの言葉を信じて投資を行い、損失を出したという男が、そのYouTuberを刃物で複数回刺す事件が発生。投資への熱狂ぶりは事件性のある社会問題にまで発展してしまったのだが、今後韓国の金融各社には「借金の焦げ付き」という恐ろしい大事件が控えている。

文/池田聖人 内外タイムス編集部

関連記事一覧