• 全国
  • 個人情報保護法の改正案成立、本人の同意なしでAI開発や統計作成への情報提供可能に
  • HOME
  • 全国
  • 個人情報保護法の改正案成立、本人の同意なしでAI開発や統計作成への情報提供可能に

個人情報保護法の改正案成立、本人の同意なしでAI開発や統計作成への情報提供可能に

AIモデルの開発やデータ活用を進めるため、個人データを収集する際の規制緩和を盛り込んだ個人情報保護法の改正案が10日、参院本会議で可決され、成立した。

現行法では、企業や病院が外部にデータを提供する際、本人の同意を得ることが義務付けられている。今回の改正では、AI開発や統計情報を作成する目的に限り、同意を不要とする特例を設ける。個人データの中には、病歴や犯罪歴などプライバシー性の高い「要配慮個人情報」も含まれている。

アフラックが約438万人の個人情報流出を発表 企業の情報漏えいはなぜ終わらないのか

政府は、アメリカや中国にAI開発で後れを取っているため、開発の後押しと説明。また、第三者が受け取ったデータは本人を特定できないよう加工するとしている。

法令に違反した事業者には、金銭を支払わせる課徴金制度を新たに創設。個人情報を集めて、悪質な利用や第三者へ提供する事業者には違反行為で得た利益に相当する金額を課徴金とする。一方で、被害を受けた本人に代わり、消費者団体が訴訟を起こせる団体訴訟制度は盛り込んでいない。

要配慮個人情報が含まれていることや、条件を満たせば海外企業や個人事業主でもデータ提供を受けられること、対策が不十分なことから、反対する立憲民主党、公明党、参政党、共産党などから、批判や懸念の声が上がった。

不正利用を防ぐため、規則やガイドラインを整備していくとしている。

2022年と真逆の改正

個人情報保護法は、2003年に成立した。コンピューターの処理能力が向上したことで、行政・民間が保有する個人情報の処理も可能となった。個人情報のデータベースなどから情報漏えいによるプライバシー侵害の危険性が増加したことを受けて策定された。

2022年の改正では、前述の通りデータを提供する際は本人の同意を得ることが義務化された。

今回の改正は、義務化した本人同意の原則を大きく転換する内容となっている。AIや統計のため、自分のデータが受け渡されていたとしても本人に通知義務がないため知ることはできない。認知できるのは、何かしらの被害にあったときだ。

プライバシーより個人情報収集を優先するあまり、ガイドラインや対応策などができていない。また、反対政党の懸念も解消されていない。企業から個人情報が流出しても問題となる昨今、大きな事故にならなければいいのだが。

文/並河悟志 内外タイムス編集部

関連記事一覧