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パソナが5億円の営業黒字から11億円の赤字予想へと一転、人材紹介事業の売上回復鈍く

人材サービス大手のパソナグループが、2026年5月期通期見通しを引き下げた。当初5億円としていた営業利益を11億5000万円の営業損失へと一転。18億円としていた最終赤字も33億円へと膨らむ見込みだ。

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人材紹介事業の売上が計画を下回る見込みとなったほか、地方創生・観光ソリューションも伸び悩んだ。加えて万博出展関連費用で特別損失が発生。赤字幅が広がる結果となりそうだ。

2025年6月から2026年2月までのパソナの人材紹介事業は2.5%の減収。営業利益は17%近く減少した。主力の一つである人材派遣事業の売上高も1.3%の増加と成長性に欠けている。

人材関連サービス業は競争激化が鮮明になっている分野だ。東京商工リサーチによると、2024年度の人材関連サービス業の倒産は92件で、過去最多を更新した。

深刻な人手不足を背景に、企業の採用ニーズが高水準で推移。しかし、ニーズにマッチする人材の確保に困難を抱えるサービス提供者が少なくない。また、競合他社との競争が激しくなっているのだ。

採用環境が変化していることも見逃せない。ビズリーチのようなスカウト型のプラットフォームが台頭し、従来のエージェント型サービスの市場を侵食。人材派遣はタイミーのようなスポットワークが市場を奪っている。

パソナの人材紹介事業は、2025年5月期が11%もの増収だった。ハイキャリア領域で安定的な需要が継続。紹介手数料の平均単価の上昇も加わって旺盛な成長力を見せていた。その流れを受け、2026年5月期も期首予想は12%近い増収だった。しかし、予想を裏切って急ブレーキがかかってしまったのだ。

バックオフィスのアウトソーシング市場にも変化の兆し

ただし、パソナの人材紹介事業は規模がさほど大きくない。主力事業は人材派遣事業とBPOソリューション事業だ。しかし、人材派遣は成長が鈍化。BPOソリューション事業も雲行きが怪しくなってきた。2025年6月から2026年2月までのBPOソリューション事業の売上高が2.4%減少したのだ。

この事業は経理や総務などのバックオフィス業務を代行するもので、業務負荷軽減を望む企業のニーズを拾って拡大してきた。人材紹介や人材派遣はマッチする人材を確保する必要があるが、業務代行であれば組織化や仕組み化がしやすい。AIやRPAなどによるデジタル化も可能だ。

すなわち、パソナにとっても収益性を高めやすいビジネスなのである。

パソナは2024年に福利厚生代行のベネフィット・ワンを第一生命ホールディングスに売却した。ベネフィット・ワンは2024年3月期の営業利益率が20%近い超優良企業だ。パソナは2024年5月期に67億円の営業利益を出したが、売却後の2025年5月期に12億円の営業損失を出した。2期連続の営業赤字となる見通しだ。

一方、ベネフィット・ワンの売却額は1100億円で、成長投資に振り向ける潤沢な資金を得ることもできた。こうした中で、BPOソリューション事業に陰りが見え始めたのだ。本来であれば、代行業務の生産効率を高めるためのデジタル分野に投資をしたいところだが、成長の鈍化が構造的なものであるとすれば、投資資金の行き先を失うことにもなりかねない。

生成AIが浸透したことにより、データ入力やメールの返信、書類・レポートの作成、翻訳作業など、専門的な知識を持たなくても業務の効率化が進められるようになった。AIを活用して社内業務の効率化アプリを内製するケースも増えている。

AIの浸透度で言えば今は大企業が中心だが、中小企業にもその流れが進む可能性は十分にある。

パソナは、バブル崩壊後の人材派遣業の規制緩和を追い風に業界のリーディングカンパニーへと成長した。しかし、人材紹介市場ではスカウト型サービスが台頭し、BPO市場でもAIによる代替が進みつつある。人材ビジネスを取り巻く環境が大きく変化する中で、パソナが次の成長モデルを見いだせるかが問われている。

文/不破聡 内外タイムス

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