日本代表が敗れた早朝の渋谷で「後夜祭」、目立ったのは歓喜のブラジル人とゴミのポイ捨て
日本時間の本日深夜に行われたサッカー・ワールドカップの日本対ブラジルでは、先制点を決めた日本が後半に追いつかれ、アディショナルタイム終了間際に逆転されて敗北した。遠藤航、久保建英らの負傷による離脱が相次ぐ中、選手層の厚さでカバーをしていたのだが、それでも「サッカー王国」の壁は高かった。
午前3時過ぎ、FNNがYouTubeで配信している「いまの渋谷・スクランブル交差点 ライブカメラ」という動画に、異変が起きていた。普段はスクランブル交差点全体を見渡せるような画角で映像を配信しているのだが、特定のエリアに集まった人にカメラを向け、配信を行っていた。ブラジルが得点を入れるたびに、人々が集う場でカメラのシャッターが何度も光る。報道陣も既にこの時間帯から待機をしていたようだった。
試合終了直後の4時過ぎには、現地では各飲食店で行われていたライブビューイング会場を去る人が相次いだ。その場で記念撮影をする人もいたのだが、多くの人々は始発の電車が動く前の渋谷駅へと向かっていく。目的は動き始める電車を待つことではない。渋谷スクランブル交差点での「後夜祭」だ。
現地ではDJポリス、規制線を敷く警官らが試合の終了前から待機。チュニジア戦の時と同じく、一糸乱れぬ形で歩行者の誘導を行っていた。日本代表は白を基調とした「アウェーのユニホーム」を着用して試合に臨んだが、現地ではサムライブルーのユニホームを着た人であふれかえった。だが、夜を徹しての応援のかいなく敗れたこともあってか、チュニジア戦で勝利した時ほどの覇気がない。彼らに代わって元気満々の状態だったのは、ブラジルのユニホームなどを身にまとった人々だ。
ポルトガル語・英語で盛り上がるだけでなく、「Arigato・Sayonara」という掛け声のチャントでも一体感を見せ、周囲に喜びを振りまいていた。この輪に巻き込まれてしまったのが、大手スポーツメディア「ESPN」の社員証をぶら下げていた男性だ。アナウンサーの1人としてレポートをしようとしていたのだが、カメラを見つけたサポーターらが一斉に駆け寄り、肩を組んで次々カメラに向けてアピール。iPhoneに向けて何かをしゃべり続けているのだが、撮影が終わるまで彼の肉声はほとんど聞こえなかった。
やはり残った「ゴミの課題」
一方で、ゴミの問題は相変わらず何も解決していなかった。ポイ捨てをしたら過料2000円という新たな条例が今月から施行されたのだが、深夜・早朝の時間帯は過料を徴収する指導員がいないため、この時間帯は特に空き缶やプラスチックカップのポイ捨てが目立った。センター街のファミリーマートでは、「普段のポイ捨て」とは比較にならないほどのゴミが散乱。敷地外だけでなく、店内に設置されたゴミ箱の前にもペットボトルや空き缶などが散らばっていた。また、渋谷区ではポイ捨てよりも前から禁止され、過料を徴収していた路上喫煙をする人も、多数見かけた。
山手線の始発列車が到着し始める4時30分過ぎ、DJポリスとして活動していた警官らが撤収作業を始める。ブラジルを応援する人々が騒いだと言っても、やはり日本においては少数派。早朝であることに加え、平日という条件もあってか、日本代表のサポーターたちは次々と渋谷スクランブル交差点を去っていく。人が減少した交差点前の一部を使って「パス回し」をするグループもいたのだが、埼京線が動き始める6時前には、普段の渋谷とさほど変わりのない風景に戻っていた。
ウズベキスタンとヨルダンが初出場を果たした今大会において、アジアサッカー連盟(AFC)に属するチームは、7月4日にエジプトと対戦するオーストラリアのみ。成長を続けてきた日本代表にとって悲願となる「決勝トーナメント初勝利」は、2030年に行われるスペイン、モロッコ、ポルトガルの3カ国共催大会に持ち越されることになった。
文/池田聖人 内外タイムス編集部





