有事の島外避難「安全確保は困難」 市民団体がシンポジウム 国民保護法の欠陥指摘
宮古島市民が島に住み続ける権利を考える「島外避難シンポジウム」(同執行委員会主催)が22日、市働く女性の家で行われた。「有事島外避難について考える」と題して講演した布施祐仁氏(軍事ジャーナリスト)は国や県、宮古島市が策定している有事の際に住民を九州に避難させる国民保護に係る島外避難について「安全に進めるためには極めて難しい」と述べた。国民保護法に基づき認定される武力攻撃予測事態で避難が始まるが自衛隊や日米地位協定で米軍が優先使用するとなっている空港、港は相手国の攻撃目標になるとして同法の欠陥を指摘した。
有事の際の島外避難は、離島の宮古島市から九州への輸送手段は飛行機や船のため空港、港を使用する。
武力攻撃予測事態(武力攻撃事態には至っていないが事態が緊迫し武力攻撃が予想されるに至った事態)の認定で住民が避難時に使う空港、港は「防衛出動待機命令」(防衛出動の準備)の発令を受けた自衛隊が優先使用する。米軍の使用は日米地位協定第5条に基づくもので「拒否できない」とある。
解決策には、武力攻撃予測事態認定・防衛出動待機命令前の段階で住民避難を開始するしかないが、住民避難を開始すること事態が相手国に「戦闘態勢準備」と捉えられ事態をエスカレートさせてしまうリスクもあるため政府としては難しい判断を迫られるとも述べた。
小口幸人氏(弁護士)は「有事の際の避難法制」の演題で講演。戦争と災害の前提と法令、災害と戦争の法体系の違いや避難指示の違い、避難先での生活支援、補償制度の違いなどを説明した。

避難計画の問題点では「避難の安全が不透明かつ補償もない中で全員避難は困難であり、(九州での)ホテル避難の継続は心身を傷つけ続ける。コミュニティの分断・崩壊、島に戻れない事態が懸念され大量の人口流出の恐れがある」と述べた。
会場には関心のある市民が参加し熱心に耳を傾けた。講演後のパネルディスカッションでは宮古島市が実施したオープンハウス型意見交換で市民から出た質問について布施氏、小口氏が答えた。


