川平副委員長から答申を受ける座喜味市長 =市役所応接室

人、環境にやさしい交通へ 都市交通マスタープラン 都市交通の将来像答申

 宮古島市総合都市交通検討委員会(委員長=神谷大介琉球大学准教授)は22日、座喜味一幸市長に宮古島市都市交通マスタープラン(基本計画)の答申を行なった。同プランは「住民にも観光客にも環境にもやさしい交通体系の構築」を基本理念に、利便性の向上と効率的な運行を目指した公共交通網の機能強化などが示されている。座喜味市長は「マスタープランに基づいて安全で効率的な交通網整備に取り組む」と計画促進に意欲をみせた。
 答申として提出された宮古島市都市交通マスタープランには総合交通体系を取り巻く6つの課題への解決案が示され、2030年度を目標年次として10年間の都市交通施策の指針を示されている。川平陽一副委員長(市建設部長)は「プラン策定においては、市民アンケートの実施などで各地域から広く意見を集めた上で、検討委で各分野の見識を生かした提案等を受けて将来像を描いた。次年度は同プランを基づいて道路整備の設計も含めた都市交通戦略の実施計画の策定に移る」と説明した。
 計画では将来の都市交通体系づくりとして、効果的な道路網整備を主とする「幹線道路ネットワーク」と、広域アクセスの機能強化を目指す「公共交通ネットワーク」の相互整備に加え、環境負荷の少ない交通環境の構築を掲げている。さらに交通体系とまちづくりを連動させた「ヒト中心の道路空間形成」を実現するために、バス等の公共交通の拡充を求めている。
 現在市が進めているみなとまち再生プロジェクトや中心市街地活性化計画でも交通環境の整備が課題として上がっており、同プランの事業が課題解決の突破口となる可能性が高い。また、市企画政策部が策定中の宮古島市地域公共交通計画との連携により、高齢者等の交通弱者への対応策の検討も進む見込みだ。
 座喜味市長は「交流人口の増加に伴い、将来の交通網をどう設計するかが課題であった中で、関係各位が参加して有意義な議論が行われたと聞いている。今後は交通拠点ターミナルの整備や道路等の交通インフラ整備も含めた、具体的な施策づくりに進みたい」と話し、プラン策定に感謝の意を示した。

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