新たに購入補助事業が始まったシニアカー =平良下里、大進自動車

市、シニアカー購入に補助 免許返納の65歳以上に

 宮古島市(座喜味一幸市長)は17日、シニアカー(ハンドル型電動車いす)の購入に上限10万円を補助する事業を開始したと発表した。運転免許証を返納した65歳以上の高齢者が対象。今年度は15台分の150万円を予算に計上している。高齢化社会が進展する中、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを維持し、外出や社会参加交流の機会を失わないよう支援することが目的。事業の財源にはふるさと納税を活用している。
 少子高齢化社会が進む中、高齢者による交通事故の増加は全国的な課題になっている。運転免許証の自主返納も行われているが、車社会の宮古島市では、返納した高齢者の移動手段を確保する必要もある。
 市高齢者支援課の担当者は「今後も高齢者が増えていくということは明白で、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを理念の実現に向けた事業。車の運転が必ず必要という状況が緩和できれば」と説明。「免許返納後も、買い物に出かけたり公民館に遊びに行ったりという生活を続けてほしい。安全なシニアカーを活用して、地域との関わりを継続してもらいたい」と話す。
 事業の財源には、学校給食の無償化などと同じくふるさと納税を活用。「何年間継続できるかは今のところ決まっておらず、一年ごとに予算要求する形になると思う。今年度はどれだけの需要があるか調査する目的もあり、状況次第で予算増額や対象拡大などを検討していきたい」と述べた。
 市内でシニアカーを取り扱っている複数の自動車販売業者によると、年間数台の購入があるという。「そろそろ運転が危ないからと、親に免許を返納させてプレゼントする人が多い。多良間村からの注文もある。畑までの往復などに使われているようだ」と話す。また、「購入すると長く使われている印象。新品の購入は年数台だが、修理やメンテナンスの相談などの対応が多い」と述べた。
 事業の対象者は市に住所がある65歳以上の高齢者で、免許を返納して運転経歴証明書を持っている人。市税の滞納がないことや、ほかの購入補助を利用していないことも条件。補助内容は購入費用の3分の1以内で、上限10万円。委任を受けた代理人の申請も可。問い合わせは高齢者支援課(73・1964)まで。

関連記事一覧