製糖開始式で原料のサトウキビを投入する関係者 =宮古製糖伊良部工場

製糖期がスタート 宮糖伊良部に原料搬入 開始式で豊作、無事故祈願

 宮古製糖伊良部工場(山城尚俊工場長)は8日、2022/23年期サトウキビ製糖操業の原料搬入を開始。宮古地区の製糖期がスタートした。行政や関係事業者らが参加して開始式が行われ、今製糖期の豊作と安全無事故の操業を祈願した。長雨でハーベスターが稼働できず原料不足のため圧搾開始は来週になる見込み。宮糖城辺工場はきょう9日、沖縄製糖宮古工場は15日、宮糖多良間工場は20日の操業開始を予定している。
 初日は手刈り原料141㌧が搬入され、平均甘蔗糖度は13・57度。甘蔗糖度の内訳は基準糖度帯(13・1~14・3度)が48・16%、14・4度以上が16・45%、13・0度以下が35・39%、1㌧当たりの農家平均手取額は2万3208円。
 今期の生産量は同工場が6万1312㌧(前期実績6万5170㌧)、宮糖城辺が11万4837㌧(同11万8348㌧)、宮糖多良間が2万3335㌧(同3万2697㌧)、沖糖が13万6千㌧(同14万6790㌧)、宮古地区全体では33万5484㌧(同36万3005㌧)が見込まれている。
 開始式では宮糖の渡久山和男社長らが原料のサトウキビを投入。渡久山社長は「今期のサトウキビは台風11、12号の被害を受けたが青々と成長して順調に回復している。10月下旬からの長雨の影響で甘蔗糖度は今一つ上がってないが、青葉枚数は6・5~7枚あるので天気さえ回復すれば上昇が期待できる。機械化の促進や基盤整備事業で増産体制はできつつある。しかし長雨で原料確保が難しくなっている。農家を含めて関係者には雨天時の協力をお願いしたい。今期の操業が安全無事故、好成績で終了できるよう願っている」とあいさつした。
 来賓の座喜味一幸市長(代読・伊川秀樹副市長)が「市としても畑地かんがい施設など生産基盤整備の推進や農薬購入、有機質肥料の補助などサトウキビ増産に向けた支援を行い、農家所得の向上につながるような各施策に取り組みたい」、県宮古農林水産振興センターの砂川喜信所長が「伊良部では昨年8月に魚口地区で待望のスプリンクラーによる散水が開始され、『水あり農業』元年となった。その後も散水地域の拡大に向けて事業が進行しており、県としても土地改良など生産基盤の整備をできるだけ早期に進めたい」とそれぞれ祝辞を述べた。

関連記事一覧