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基調講演を行った平良英三氏 =15日、マティダ市民劇場

持続可能な生産へ決意新た 宮古島市開催9年ぶり3回目 きび・甘蔗糖検討会が開幕 スマート農業技術など講演

 さとうきびおよび国内産糖の生産振興と業界の持続的発展を目指す「令和8年度さとうきび・甘蔗糖関係検討会」(独立行政法人農畜産業振興機構主催)が15日、2日間の日程でマティダ市民劇場で始まった。宮古島市での開催は9年ぶり3回目。鹿児島・沖縄両県の生産者や製糖事業者、研究機関、行政関係者など約230人が一堂に会し、「さとうきびの持続的な生産振興に向けて」をテーマに、スマート農業技術の活用や生産性向上、農地集積などに関する知見の共有と課題解決へ向けた議論をスタートした。初日は平良英三氏(琉球大学農学部教授)の「サトウキビのスマート技術と今後の生産体制」の基調講演などが行われた。

基調講演や農家の生産振興に向けた報告などを聞く参加者ら

 開会式で主催者を代表して同機構の天羽隆理事長は、度重なる台風や干害による春植えほ場等の被害に触れつつ、収穫期に向けた早期回復に期待を示し「諸物価高騰のなか生産者や事業者の皆さんと手を携え、生産性向上などの努力を後押ししていく」とあいさつした。 
 開催地を代表して嘉数登市長(代読・砂川朗副市長)は、担い手不足や生産コスト高騰といった現場の厳しい環境に言及。国営かんがい排水事業、ほ場整備、製糖副産物を活用した地下水保全などの取り組みを紹介し「県境や産地の枠を超えて知恵を絞り、連携することが不可欠」と呼びかけた。
 来賓の喜屋武盛人県農政部長(代読)は、県内の農家数の約8割を占める基幹作物としての重要性を強調。令和7(2025)年産の生産量は76万5000トンと前年を下回ったものの、平年並みを確保したことを報告し、機械化促進や土づくり、病害虫防除などの施策を一層推進すると述べた。
 JAおきなわの安谷屋行正理事長(代読)も「さとうきびは島を守り、島は国土を守る」という理念を掲げ、増産基金を活用した自然災害からの復旧支援や機械導入、作業受託体制の整備に全力を挙げると語った。

 基調講演を行った平良教授は、気象データを活用した高精度な生産管理や時代に合わせた「相対糖度」による品質取引制度の見直しを提言。「サトウキビ生産は台風や降水量などの天候に大きく左右される。特に夏場のかん水作業は単収を左右する重要な要因だが人手不足や水資源の限界が課題となってきた。実証事業で南大東村に観測機器を設置したところ、同じ島内でも地域によって降水量に大きな偏りがあることがデータで可視化された」と述べた。
 気象データに基づきスマートフォンで遠隔操作する自動地中灌漑(かんがい)システムを導入した結果、生産者の経験頼みでかん水していた場合に比べ使用水量を抑えながら単収を約14%向上させる成果が得られたと説明。「新しい技術を入れれば良いのではなく、データに基づいて限られた資源を最適に配分することが本質」と強調した。 
 続いて、松下雄哉氏(農林水産省農産局地域作物化課長補佐)は「砂糖をめぐる現状と課題について」の演題で講演。研究成果発表や機構からの情報提供もあり、テーマに関する取り組みでは4人が報告。そのうち、宮古島市の邊土名清志さんは「さとうきび増産に向けた取り組み」で登壇した。
 16日は市内ほ場をめぐり、現地視察が行われる。

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