「曖昧な対応は誤解招く」 地方議員連 中国発言に抗議声明求める
【那覇支局】中国国連代表の「沖縄の人々は先住民族」との発言した問題で、沖縄の地方議員や有識者らで結成された「沖縄の人々を先住民族とする国連勧告の撤回を実現させる沖縄地方議員連盟」(会長=仲間信之・宜野座村議)らが28日、県庁を訪れ、玉城デニー知事に対し公的かつ明確な抗議声明の発出と国連勧告の無効化を求める要請書を提出した。午後には県政記者クラブで会見を開き、発言の危険性と背景について説明。「沖縄の立場を歪める発言であり、日本の主権を侵害するものだ」と強く非難した。
要請を行ったのは、「沖縄の人々を先住民族とする国連勧告の撤回を実現させる沖縄地方議員連盟」会長で宜野座村議会議員の仲間信之氏、同連盟の川満玄治豊見城市議のほか、サポーターとして砂川竜一氏(南城市つきしろキリスト教会・牧師)、仲村覚氏(日本沖縄政策研究フォーラム・理事長)ら。午前11時半、県庁11階第5会議室で秘書課職員に要請書を手渡した。
要請書では、中国国連代表部による発言を「日本の主権と地方自治を侵害する行為」と断じ、知事に対し①発言への抗議声明を直ちに発出し、「沖縄の人々は日本国民であり、中国の発言は内政干渉である」と明確に主張すること②沖縄県議会を通さず提出された国連勧告の無効を公的に宣言し、提出経緯を調査・公表すること―の2点を求めた。
仲間会長は提出時、「同じ沖縄県民として非常に危機的な状況だと感じている。家族や子どもたちの将来を守るためにも、県として共通の意識を持って対応してほしい」と訴えた。川満市議も「私たちは日本に生まれ育った県民。玉城知事は曖昧にせず、明確な見解を示すべき」と求めた。
また砂川氏は「1972年に県民は『祖国復帰』を選んだ。今『独立』の話が出るのは、中国による内モンゴルやチベットのような支配構造と重なる。次は沖縄が標的にされる恐れがある」と警鐘を鳴らした。仲村氏も「知事が否定しないこと自体が重大。国際社会に誤解を与えかねない」と述べた。
その上では「沖縄の人々は日本の一部であり、国際社会に誤った認識を与えないためにも、県が明確な立場を示すべきだ」と強調した。
一連の発言は、9月の国連人権理事会において中国代表が「沖縄県民は日本政府から差別を受けており、先住民族としての権利が保障されていない」と主張したもの。これに対し、政府関係者からも「明らかな内政干渉」として懸念の声が上がっていた。


