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関係者らが集い、伊良部地域ブランディングPJのキックオフ会議が開かれた =市役所2階・会議室

持続可能な観光振興へ一歩 市伊良部商工会 地域価値見直し向上を 地域ブランド創出PJ ブランド戦略で意見交換

 市伊良部商工会(奥濱剛会長)は16日、市役所で伊良部島地域ブランディングプロジェクト(PJ)のキックオフ会議を開催した。会議には、会員ほか市観光商工課や商工会議所、観光協会、沖縄総合事務局地域経済課知的財産室、関連事業者なども参加し、PJの目的や必要性、各自の役割を共有し、推進を確認。意見を交わし合い、伊良部島だけでなく市における地産商品のブランド価値を高め、観光需要を取り込むための戦略を策定する重要な機会となった。
 このPJはみらいおきなわを事務局に、デザイン思考および経営による支援などを行うデザインイノベーションおきなわ(DIO、神里僚子代表)、同知的財産室と連携し、「2024年度沖縄地域における地域ブランド創出支援事業」として伊良部島のブランド価値を高め、観光需要を取り込むための戦略を策定。地域の強みが知的財産であることの理解を深め、それらを地域の発展に寄与することが目的に進められている。
 その背景には23年度に県全体の入域観光客数は約823万人に達し、コロナ禍以前の最高記録と比較して81.0%まで回復しているが、地域によってはその魅力を十分に発信できず、観光需要を取り込めていないところもあることを挙げ、伊良部島もその一つであることから地域ブランド化の遅れが課題となっている。
 そこで、地域経済の活性化を図るために伊良部島の地域ブランドを創出し、観光振興を通じて取り組むことを本事業の狙いとしている。
 伊良部島のブランド戦略は「持続可能性」「独自性」「共創性」の3つのコンセプトを柱に展開。「持続可能性」では自然や伝統・文化を守りながら地域経済を発展させること、「独自性」では伊良部島の魅力を伝えてリピーターを増やすこと、「共創性」では新しい価値を創ることが重視される。
 これらのコンセプトを基に、今後のスケジュールと活動では、具体的なアクションプランを策定し、地域ブランドの取り組みを長期的に推進する体制が構築していく。
 23年度にリサーチおよびヒアリングをしており、24年度中には具体的なアクションプランを策定し、地域ブランドの取り組みを長期的に推進する体制を構築する予定となっている。
 成果としては、地域外から資金を獲得する手段として観光が重要な役割を果たし、地域への愛着を持つロイヤルゲスト(継続的なリピーター)をターゲットとすることで、持続可能な地域づくりが進むことなどを挙げ、これにより住民が地域に誇りを持って豊かに住み続けられる島を実現することが期待される。

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