議員質疑に回答する座喜味市長 =市議会本会議場

し尿処理施設整備 入札対応に疑問の声 市議会定例会

 宮古島市議会(平良敏夫議長)は12日、第4回定例会を市議会本会議場で行い、座喜味一幸市長から補正予算案1件、条例改正案1件、し尿処理施設整備の入札結果に対する議決案3件が追加上程された。し尿処理施設整備は座喜味市長により抜本的な事業見直しが行われ、市民生活に重要な衛生施設整備の大幅変更に対して市議会でも調査特別委員会が設置された事案。今回の上程手法に対し議員から「市は同施設整備の議会議論を避けたいのか」と指摘があった。また、年内給付の要望が続いていた低所得世帯支援の給付事業に対し最短でも年越し以降になることが見込まれた。
 追加議案の質疑では、し尿処理施設整備に対する質問が集中した。議員の主な意見は「重要案件をこのタイミングで上程しては、同案に対する十分な議論ができない」「入札の事務処理が不適正なのでは」という疑念に集中した。
 議員から「追加議案三つの入札結果のうち、2事業者との仮契約は11月22日、24日で完了しており同2議案は当然に今定例会の当初議案として上程するのが望ましい」との指摘に対して、市は「3契約で一体事業であり全契約者の手続き完了が今月6日であったことから今回の追加上程となった」と回答した。
 議員の「同事業は市長の見直しにより大幅な遅延が生じている。市に早期実施の考えがあれば2契約の先行上程が当然」との指摘に市長は「同整備は議論を終えて議会承認を得ている」とし、「専門的な分野であり時間を要したが、しっかり進めている」と答弁した。
 同事業の工事費は3契約合計で25億8234万円となるが、議員から「3工程の入札のうち、提出書類の不備で入札無効した事案と、入札後に追加資料を求めて入札を有効にした事案があるが対応は適切か」と指摘を受け、市は「11社応募のうち4社が市提示の書類ひな形とは別の様式で資料提出があった」とし、「総額の変更等はなく、確認のために追加資料の提出を求めたのみ。入札後に追加書類を求めたことに法律上の支障はない」と説明した。
 議員からは「市が行ってきたこれまでの入札要件との相違」を問う声や、「書類不備を一方では失格とし、他方では追加確認で有効とするのは入札の信頼に関わる事案」だとの指摘がされた。
 6億円超の補正となった低所得世帯支援の給付事業に対し、議員から年内給付の要望が続いていたが市は「給付事務の整理等で最短でも1月下旬給付」だとし、座喜味市長は「正確を期して速やかに対応する」と応じた。
 追加議案は担当委員会での審査を受けて19日の最終本会議で採決を行う。

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