雨乞座で棒踊りを披露するヤーマスヤーの男性たち =来間島

豊年と繁栄の願い込め 来間島ヤーマス御願 4年ぶりパレード盛況

 来間島の伝統行事「ヤーマス御願」は2日目の4日、3兄弟のブナカ(祭祀集団)が集落内を踊りながら練り歩くパレードが行われた。新型コロナ感染症のため4年ぶりの実施となり、男性たちはそれぞれのブナカに伝わる棒踊りを披露。久々に威勢の良い掛け声と棒をたたき合う音を響かせた。引き続き雨乞座で祝宴が開かれ、踊りを奉納して島の豊年と繁栄を祈願した。通常開催となった祭りには出身者や観光客も訪れて楽しんでいた。
 パレードは午後2時から長男のスムリャーブナカが出発して始まり、その後を次男ウプヤー、三男ヤーマスヤーが続いた。のぼりなどを掲げた軽トラックの後ろを女性たちが踊りながら歩き、男性たちは四辻や旧来間小中学校前などで棒踊を披露。勇ましい掛け声とともに激しく棒で打ち合い、集落内を1周した。
 雨乞座の祝宴は司女や自治会役員らによるクイチャーで座開き。来間自治会の砂川重信会長が「長く制限されてきたヤーマス御願も今年から全て奉納することができ、先祖たちも待ち望んでいたと思う。皆さんきょうは仕事のことなどは忘れ、団結して祭りを行い楽しもう」とあいさつした。再び3兄弟の順に棒踊りを奉納した。女性たちも踊りを披露し、雨乞座は4年ぶりに歓声と拍手に沸いていた。
 3兄弟のヤームトゥを代表してスムリャーの長間盛史さんが「来間島はヤーマス御願を行うことで栄えてきた。今後も大事したい」とあいさつ。議会開会中で参加できない来間島出身の國仲昌二県議の祝辞が読み上げられた。
 ウプヤーの棒踊りに参加した砂川世凪さん、来間恒佑さん(ともに高校1年)は「記憶にはないが小学生の頃にやったので見ていたら踊れた。勢いが大切。楽しい」と感想を述べた。
 城辺花切出身で仕事のため来間島に住む平井裕渉さん(28)はヤーマスヤーで参加。「パレードは4年ぶりなのでにぎわいが違う。あらためてブナカの熱気や来間の人たちの底力を感じる」と話していた。

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