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水産庁長官賞を受賞した与那覇さん(右から2人目) =県宮古農林水産振興センター所長室

与那覇さん(宮古島漁協所属)水産庁長官賞 全国青年・女性漁業者交流大会 コロナ禍での取り組み評価

 第28回全国青年・女性漁業者交流大会流通・消費拡大部門で宮古島漁業協同組合所属の与那覇龍平さん(28・平良西原)が水産庁長官賞に選ばれた。農林水産大臣賞に次ぐ賞で、県内では6度目、宮古では22年ぶり2度目の受賞。新型コロナの影響で水産物の需要が大幅に減少する中、同漁協と漁業者が取り組んできたイセエビの畜養試験、マグロのロイン加工、モズクの品質向上と販路拡大について発表。漁協と漁業者による主体的な活動が評価された。
 同大会は今年3月に東京で開催され、与那覇さんは県代表として「宮古島の青年漁業士が考えるコロナ禍における漁業の取り組みと展望」と題して発表。コロナ禍で水産物需要の柱の一つである観光向けが大幅に減少する中、水産物普及や経営安定のため漁業者ができることに取り組もうと流通体制の改善、高付加価値化、魚食普及などを積極的に行った。
 イセエビの畜養試験では需要に応じた市場への出荷で価格が安定し、荒天時に販売が可能となった。マグロは三枚におろしたロイン(背側の身)に肉質が劣化した「ヤケ」の無いものを県外に出荷し、安定的な出荷先の確保や島内魚価の安定、漁協は加工費による収入増などの効果があった。
 与那覇さん自身が取り組んだモズク収穫時のヨコエビ取り機は船上で作業できるようにコンパクトに設計。安価な材料で作成して作業を大幅に効率化させ、ネットを活用した自家販売も開始した。今後の課題と展望としてカキ養殖への挑戦やモズクとの複合経営などについて発表した。
 13日、県宮古農林水産振興センターで受賞報告が行われた。同センターの砂川喜信所長は「素晴らしい内容の発表。今回の受賞で宮古島漁協の活動をPRでき、評価も高まったと思う。観光客が増加する中で地元産をどう供給していくか。今後は足りなくなると思う。与那覇さんのような若手が参入できるよう私たちも後押ししたい」と受賞をたたえた。
 与那覇さんは「宮古島漁協みんなの取り組みが全国に評価されたことがうれしい。モズクだけでなく宮古島の環境を生かしながらできるものを増やし、地元産の水産物を島内外に出荷して安定した収入を得られる漁業者になって、新規の若手も育てたい」と述べた。

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