規格改定で県伝統工芸製品の証書が貼付された上布帯 =昨年11月、宮古島の織物展示販売会

製品検査増加に転じる 規格改定、展示販売会で 織物事業協同組合

 宮古織物事業協同組合が2022年度に検査した織物製品は125点で前年度に比べて31点となり増加に転じた。県伝統工芸製品の検査規格が改定されて製品区分が拡充され、また昨年11月に初めて開催した「宮古島の織物展示販売会」への出品が主な増加要因と見られている。同組合では製品の増加が従事者の所得向上につながることに期待。製品が増える一方で手績み苧麻糸の不足を課題に挙げており、その確保に努めたいとしている。
 織物製品の検査は19年度の152点に対し、20年度111点、21年度94点と減少していた。22年度は前年度に比べて上布帯が64本で23本増加した他、ゼロだった苧麻織が着尺3反、帯2本となり、麻織の着尺が32反で9反増えた。上布の着尺は十字絣が8反で3反減少、草木染が3反で4反減少した。
 県伝統工芸製品の検査規格は従事者の所得を増加して産業として成立させることを目的に昨年4月に県全体の産地で改定され、このうち宮古上布の製品区分は従来の藍染めの着尺のみから、手績み苧麻糸の品質によって4区分となり、新たに帯4区分が追加されて計8区分に広がった。染料も草木染などが認められるようになった。
 検査に合格すると品質を保証する「検査済之証」が貼付される。同組合では苧麻糸が減少して細い上質の糸が不足している状況から、従事者の収入を増やそうと帯などに独自の検査を実施してきたため、県伝統工芸製品への格上げが望まれていた。
 織物展示販売会は宮古上布の伝承には従事者の所得向上が必要だとして、組合独自の宮古産織物の商品開発や販路拡大に取り組むため開催された。上布をはじめ苧麻織や麻織、宮古織の反物、規格改定で県伝統工芸製品となった帯、様々な小物を販売した。
 同組合の神里佐千子専務理事は県伝統工芸製品の規格改定、展示販売会の出品に向けて製作したことを増加要因に挙げ「生産量が増えて、売れれば従事者の所得や生産意欲の向上につながる」と話した。
 生産量が増加すれば苧麻糸の需要も増えていく。年々上布に適した糸は入手が困難になり、減少の一因とされている。同組合では宮古苧麻績み保存会とも連携して伝統工芸品センター内で苧麻績み教室を開くなど糸の確保に努めたいとしている。

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