消火訓練を行う空港消防所の化学消防車 =宮古空港旧エプロン

消火・救難で連携確認 航空機事故備え総合訓練

 2022年度宮古空港航空機事故・消火救難総合訓練(主催・同空港緊急計画連絡協議会など)が24日、同空港旧エプロンで行われ、空港や行政、消防、医療、自衛隊など関係機関20団体134人が参加し、航空機事故を想定して消火活動などで相互の連携を確認した。新型コロナの影響で規模縮小が続いていたが、今回は3年ぶりに負傷者の医療救護活動も含めた総合訓練として実施された。
 訓練は午前10時頃、旅客機が着陸の際に制御不能となり、滑走路を逸脱し、擱座(かくざ)炎上し、乗員乗客30人のうち死亡者1人、重傷者4人、中傷者5人、軽傷者10人が出たことを想定して行われた。
 事故発生の通報を受けて空港管理事務所がサイレンを鳴らすと、空港消防所から空港専用化学消防車が出動し、航空機に見立てたバスに放水。市消防本部の消防車も駆け付け消火活動にあたり、機内の乗客や負傷者を救助、誘導した。応急救護所には負傷者が次々と運ばれ、重症度や治療緊急度に応じて優先度を決めるトリアージが行われた。
 訓練終了後、同協議会長の座喜味一幸市長が「多くの関係者の協力で総合訓練ができたことに感謝したい。航空機事故はあってはならないが、万が一に備えることは大変重要。訓練を通して日頃からしっかりと備えていきたい。各関係機関のスムーズな連携はみごとだった」と講評した。
 同訓練は関係機関が緊密な連携を保ち、消火救難訓練活動及び医療救護活動を迅速かつ適切に行い、被害の軽減を図るための連携行動の確立を目的に実施されている。

負傷者を搬送する自衛隊員

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