伊志嶺理事長(左)とスタッフの皆さん =平良西仲宗根の野菜ランドみやこ

農業と福祉の連携評価 アワードでチャレンジ賞

 宮古島市で障がい者の自立支援事業を営むみやこ福祉会(伊志嶺博司理事長)はこのほど、ノウフク・アワード2022(主催・農福連携等応援コンソーシアム)で、チャレンジ賞を受賞した。全国で農業と福祉の連携に取り組む団体などを表彰するもので、受賞は市で初めて、県内で2例目。同会が島内で暮らす障がい者の安定雇用を実現していることや水耕栽培により葉物野菜の安定生産を確立していることなどが評価された。
 高齢化が進み担い手不足や耕作放棄地増加などの課題がある農林水産業の面からは、働き手の確保や産業の維持・発展につながるものとして、障がいを持つ人にとっては、個性を生かした社会参画と役割・居場所作りを後押しするものとして、農福連携の価値に大きな期待が寄せられている。
 アワードを主催するコンソーシアムは、農林水産省をはじめとする関係省庁などが協力して20年に設立。官民を挙げて農福連携を推進することを目的とする。3回目となる今回は、全国23の団体を表彰。みやこ福祉会は、新たな農福連携に取り組んでいる団体に贈られるチャレンジ賞を受賞した。
 同会は、障がい者と雇用契約を結び最低賃金以上の給料を支払う「特定就業支援A型」の野菜ランドみやこを運営。また、軽作業などの就労訓練に工賃を支払う「B型」のパン工房アダナスや、レストラン太平山など、さまざまな支援施設を運営。会全体で約100人の障がい者が働いており、全国平均を上回る賃金・工賃を実現している。
 野菜ランドでは、作業工程ごとに視覚的に理解できるパネルを用意し、誰でも簡単に作業できる道具を活用するなど、障がい者が安全に効率よく作業できるよう工夫しているという。
 伊志嶺理事長は「スタッフみんなの日々の頑張りによってもらえた賞。これからも、障がいを持って生まれた人やその家族が、仕事を通して人生を謳歌できる環境づくりに寄与していきたい」と語った。

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