ブルーインパルスが宮古島市で初めての展示飛行を行った

ブルーインパルス宮古で初の航空ショー 空自50周年で展示飛行

 航空自衛隊宮古島分屯基地(高木寿宗司令)の開庁50周年記念行事として11日、アクロバットチーム「ブルーインパルス」の展示飛行が行われた。雲が低く垂れこめるあいにくの天気のため演技は簡略化されたが、観覧会場には島内外から大勢の観客が詰めかけ、宮古初の航空ショーを楽しんだ。県内では那覇市以外で初の展示飛行。民間空港の利用には賛否さまざまな意見があり、宮古空港では反対集会も開かれた。

観覧会場には島内外から大勢の観客が詰めかけた=平良久貝のトゥリバー地区


 当初の予定では那覇空港発着で展示飛行を行う予定だったが、県内初のアクロバット飛行実現に向けて宮古青年4団体(具志堅貴昭代表幹事)などが活発な要請活動を行っていた。民間機以外は使用しないとする「屋良覚書」がある下地島空港ではなく宮古空港を使用する方向で調整が進み、12月に入って正式に決定した。一方軍事利用につながることを懸念する市民団体などは、決定を受け県に抗議していた。
 県内では那覇市のみで展示飛行が行われていたが、これまで曲技飛行を行ったことはないという。10日のリハーサルではさまざまな演目を準備していたが、本番では時折雨も降る曇り空のため機体の高度を上げることができず、編隊飛行を中心に披露した。
 記念行事冒頭で高木司令は「宮古島分屯基地は航空自衛隊の中で日本の最南端・最西端に位置する国防上非常に重要な基地の一つ」と紹介し、「50周年を迎えられたのはひとえに市民などの協力のおかげで深く感謝している。皆さんと共に空を見上げ、たくさんの笑顔をお届けできれば幸い」とあいさつした。
 観覧会場となったトゥリバー地区には、混雑を避けるため平良港からシャトルバスを運行。南西航空音楽隊がジャズナンバーで盛り上げキッチンカーも出店されるなど、県外から訪れたファンや家族連れの市民などで大いににぎわった。
 具志堅代表は「歴史的な瞬間に立ち会うことができた。コロナ禍でお祭りなども無くなっていた中、たくさんの笑顔が見られたことをうれしく思う」と語った。
 十数年来のブルーインパルスファンで、東京都から来たという鈴木基之さんは「海の上での演技はめったに見られない。空も海もとてもきれいで、宮古に来た甲斐があった」と喜んだ。

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