一般会計補正予算などで質疑が行われた市議会9月定例会 =市議会本会議場

新総合体育館 基本設計は市単独 9月市議会議案質疑

 宮古島市議会(上地廣敏議長)9月定例会は8日の本会議で、上程されている2022年度一般会計補正予算案など議案に対する質疑が行われた。市教育委員会は新総合体育館建設に向けた基本設計について、当初予算で計上した内閣府の複合型スポーツ振興・人材育成拠点整備事業が採択されなかったとして7300万円を減額し、一般財源による単独事業で3861万円を充てて実施する方針を示した。23年度の防衛省概算要求での実施設計採択、24年度実施を目指す。下地信男氏に友利克生涯学習部長が答えた。
 新体育館については、平良東仲宗根の現在地で建て替えられる予定。基本計画を踏まえて当初予算で7300万円の基本設計費を計上した。説明によると、内閣府から中長期的な見通しについて具体性がないとの指摘もあり、22年度での採択が見送られた。施設の建設工事については内閣府の補助金活用が厳しく、ほかの補助事業の導入を目指していたという。
 友利部長は、防衛省の補助金導入に向けて沖縄防衛局と調整しているとした上で、「急激な資材費などの高騰を受け、概算要求時と実際の事業費がかい離する事例が多く、極力なくすよう指摘があった」と説明。
 この上で友利部長は、事業費規模を基本設計で精度を高める意向を示した。来年5月の防衛省に対する概算要求に盛り込まれると、24年度で実施設計などが行われる見通し。
 垣花和彦企画政策部長は、補正予算の歳入で離島活性化推進事業費補助金が1億4396万円減額された内容について、新体育館の複合型スポーツ振興・人材育成拠点整備で5840万円、観光循環バス自走化実証事業(ループバス)で9700万円をそれぞれ減額し、電子図書館の整備事業に新規で1140万円を充てると説明した。我如古三雄氏に答弁した。
 このほか、農林水産物流通不利性解消に向け、鮮度保持技術の考案や船舶による輸送体制の構築を図るため、コールドチェーン実証的検証支援事業を実施する方針を砂川朗農林水産部長が説明した。
 現在、冷凍コンテナで船舶輸送しているのは主にモズクで、ほかの鮮魚や農作物は鮮度保持技術が確立しておらず、高額な航空機で輸送している。
 砂川部長は、船舶輸送に移行することが必要とし、「輸送費軽減や不利性解消を図る上で、宮古島にあった鮮度保持技術の考案、それに見合った輸送改善などを調査し、輸送体制の構築を図ることが急務」と指摘。
 この上で、「地域コールドチェーン実証的検証支援事業」を活用し、品目選定や急速冷凍庫導入、保存冷蔵庫の整備、漁船冷蔵施設設置、真空パック器導入の評価検証、投資計画を実施し、「技術導入、実証事業計画策定、輸送体系確立、長期保存技術確立を目指して取り組みたい」と述べた。下地信男氏への答弁。

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