台風被害で大きく崩落した遊歩道 =下地与那覇

座喜味市長「迅速対応の仕組み検討」 台風災害復旧で示す

 宮古島市議会(上地廣敏議長)の9月定例会は26日、一般質問5日日を行い、4氏が登壇した。平良敏夫氏は下地与那覇の遊歩道崩落や、パイナガマビーチの漂着ごみについて当局の対応が遅れているのではないかと追及。「観光客を受け入れる感性が不足している」とただした。座喜味一幸市長は「迅速に対応できる仕組みをさらに検討したい」と示した。定例会は27日に最終本会議を行い、農業委員同意案などの採決を行う。

平良敏夫氏


 数年前から砂浜などの浸食が進んでいた下地与那覇の海岸沿いにある遊歩道は、台風6号の影響で大きく崩落した。平良氏は2021年6月の市議会一般質問で、「2年前から崩落がある」と対応を求めた議員がいたことを紹介。「質問から2年経ち、計4年間何も対策されていなかった。担当者が現場を確認すれば、危険で緊急を要することは一目瞭然」とただした。
 石川博幸農林水産部長は「海岸浸食について管理者である県に要望してきたが、結果として具体的な対応がされていない状況。深刻な被害を受け、早急な調査と効果的な対策実施について、県知事に要望していると」と対応を示した。
 台風6号を巡っては、前浜やパイナガマビーチに大量の海洋ごみが漂着した。平良氏は前浜に比べ、パイナガマの対処が遅れたことの説明を求めた。
 川平陽一建設部長は「業者に見積もりを取っていたが、撤去方法について調整がつかなかったため対応が遅れた。さまざまな検討の結果、県建設業協会宮古支部に依頼した」と説明した。
 平良氏は「パイナガマは今まで見たことがないような状況だった。白い砂浜と青い海を求めてくる観光客を受け入れる感性が、市長に欠けていると思う」と指摘。市民から「行政の動きが遅いのは当たり前」との声も聞こえるとして、市長の見解を求めた。
 座喜味市長は「できるだけスピード感を持ってやろうというのは、各部共通認識を持っている。美しい海は宮古の観光振興の大きな目玉で、議員の指摘はごもっとも。迅速に対応していく仕組みをさらに検討していきたい」と述べた。
 前浜ビーチの海岸浸食については、市が県に迅速な対応を要請。県の9月補正予算に調査費用が計上されているという。

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