市民総合文化祭芸術劇場でエイサーを披露する琉球國祭り太鼓宮古支部 =マティダ市民劇場

伝統と創作、躍動の演舞 市民総合文化祭幕開け

 2022年度宮古島市総合文化祭一般の部の幕開けとなる芸術劇場「創作の世界~太鼓・古武道・クイチャー」(主催・市文化協会など)が14日、マティダ市民劇場で行われた。琉球國祭り太鼓宮古支部、宮古島創作芸能団んきゃーんじゅく、浦添市の鼓衆若太陽、糸満市の創作演武団SUZAKUが出演し、先人から受け継がれた伝統に新たな創作を取り入れた演舞を披露。観客たちは新旧の良さを融合させた躍動感あふれる舞台を楽しんだ。
 市文化協会の饒平名和枝会長は「市民総合文化祭のスタートを切るのは芸術劇場の華やかな舞台。出演者の皆さんもコロナ禍で思うように活動できず発表の場も限られていたと思うが、伝統芸能への熱い思いとパフォーマンスで『創作の世界』を存分に表現してほしい。観覧する皆さんは躍動感あふれる演舞や演奏を存分に味わってほしい」とあいさつした。
 舞台監修を担当した同協会の前里昌吾芸術劇場部会長は「私たち芸能に携わるものにとって『伝統と革新』は常にテーマとしてある。なぜこの歌が生まれ、なぜこの踊りができたのか、先人の思いをしっかりと受け継ぐ中にも、それぞれの時代の若者の思いを乗せて常に変化し続けることも大切だと思う」と今回の芸術劇場について説明した。
 舞台は琉球國祭り太鼓、んきゃーんじゅくなどによるエイサー「トーガニアヤグ」で幕を開けた。第2部では鼓衆若太陽とSUZAKUが初めて共演し、鼓衆の地鳴りのような力強い琉球和太鼓に合わせ、SUZAKUが古武術の棒やサイ、トンファーなどで気迫のこもった演武を見せた。第3部は全出演団体がそれぞれの特徴を生かしながら創作クイチャーを踊った。最後は全員で「ミルクムナリ」を披露し、「漲水のクイチャー」で締めくくった。
 終演後、前里部会長は「出演団体は持てる力を十分発揮し、皆さんに見てもらえた。創作クイチャーを見た子どもたちが興味を持ち、始めてくれるその時が成功だと思う」と話した。

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