来月開始予定のループバスについて説明を受ける観光関係者 =市役所2階会議室

ループバス 自走化前倒し求める

 宮古島市(座喜味一幸市長)は22日、市役所で観光協会加盟団体を対象に8月10日から開始予定の宮古島ループバス実証運行の説明会を行った。深刻化する2次交通不足の対策として、参加者からは民間事業者が運行費用を負担する自走化を前倒しで実施するよう求める意見が出た。観光地や宿泊施設などを循環して結ぶループバスは3年目を迎え、今年度は市街地から島の南西方面を経て吉野海岸・東平安名崎を往復するルートを夏季・冬季ダイヤで運行する。
 ループバスは観光客の受入体制強化を踏まえたバス交通の利便性向上などに関する調査を目的に、市の観光循環バス自走化実証事業として委託を受けた総合商社の双日が中央交通、宮古協栄バス、八千代バス・タクシーなどとともに実施。実証運行を重ねて2025年度から補助金に頼らず民間負担100%での自走化を目指している。
 説明会で、ある参加者は2次交通が確保できないことが風評になることを懸念し、「状況は変わっている。2次交通の不足を考えると来年度から自走化できる仕組みを作る必要がある」と述べた。また「来年はホテルも増えるので2次交通は相当深刻になる」「旅先として選ばれるには2次交通は不可欠」との声があった。伊良部地区へのルートや宮古島の路線との接続を求める意見もあった。
 22年度のループバスは北小前を起点に市街地や大型商業施設、宮古空港を経て下地方面、来間島、上野方面の宿泊施設、海岸などを経由し、夏季ダイヤ(8月10~10月31日)は吉野海岸、冬季ダイヤ(11月1日~2月28日)は東平安名崎を折り返すルートで運行する予定。乗車券は島外観光客等が1回券大人500円(子ども250円)、1日券大人1000円(子ども500円)、宮古島市民は1カ月定期券大人1000円(子ども500円)。乗車方法はモバイルチケットか紙乗車券になる。
 主な実証目的として▽長期運行による需要・ニーズの把握(旅行代理店と連携した利用促進)▽過年度業務を踏まえたルート・ダイヤの最適化▽自走化に向けた島内関連事業者との連携―を挙げている。
 市では27日午後2時~3時半、市役所2階大ホールで関係事業者を対象に第2回説明会の開催を予定している。

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