市21年度、クジャク559羽駆除 県指定侵略的外来種 

 宮古島市は沖縄県の許可を得て、 県が侵略的外来種に指定しているインドクジャクの駆除を行っている。 在来の昆虫や爬虫類への驚異が懸念されているほか、 農作物にも被害が出ているという。 猟友会など関係機関の協力で、 2021年度は成鳥559羽、 ひな3羽、 卵90個を捕獲した。
 地質学的には、 宮古島は20~30万年前には島全体が水没したと言われているが、 ミヤコカナヘビやミヤコサワガニなど、 それ以前から維持されている系統の固有種が複数生息している。 一方、 インドクジャクは南西諸島の生物多様性の成立を考えるうえで学術的価値は極めて高いと指摘する専門家もいる。
 インドクジャクは飼育個体が逃げ出して野生化したと考えられており、 宮古島では1997年ごろから広まったとされ、 現在は残存する森林に広く分布している。 ミヤコカナヘビをはじめとした在来爬虫類はここ20年で急減しており、 危機的な状況にさらされている懸念があるという。
 18年度のクジャク捕獲数は69羽だったが、 市は19年度から本格的な対策を開始。 3年連続で成鳥500羽以上を捕獲した。 21年度の捕獲は前年度から減少したが、 卵の排除が90個と前年度比約3倍になった。 22年度も捕獲作業を継続して行っている。

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