4基の硬度低減化施設更新で安全祈願祭を行った =平良東仲宗根

硬度低減化施設更新で安全祈願祭 「おいしい水供給を」

 宮古島市(座喜味一幸市長)は現在、平良東仲宗根の袖山硬度低減化施設の更新を進めており、本格的な工事開始を前に12日、安全祈願祭を執り行った。地盤の多くが琉球石灰岩で構成されているため、石灰石を多く含む宮古島の地下水から炭酸カルシウムを除去することで飲みやすい水にするもの。座喜味市長は「これからも美味しい水の供給を続けたい」と述べた。

 現在の施設は1999年4月に供用を開始した。耐用年数15年を8年経過して老朽化が進んだため、更新工事を行っている。総工事費は22億6598万円で、うち防衛省の補助金が3分の2を占める。2021~22年度が第1期で6億1750万円、22~23年度が2期3億7875万円、23~24年度が3期で12億6973万円の予定。
 ペレットリアクターと呼ばれる硬度低減装置は4基あり、1日の処理能力は1基当たり1万㌧。1基は予備のため1日の最大処理水量は2万9千㌧となっている。市は水需要のピークを26年の2万6800㌧と見込んでいる。
 1期の工事ではペレットリアクター1基のほか、苛性ソーダ・硫酸貯留タンクそれぞれ2基などの設備を更新する。21年度は機械の部品製造などを行っており、22年度から設置工事が始まるという。24年度に完成を予定している。
 座喜味市長は「カルシウムを含み宮古の水は硬度が高いので、家庭ではやかんなどに石灰が溜まるということがある。硬度を減らす施設もしっかりと整備して、安心安全に加えておいしい水を市民に提供していきたい」と述べた。原水1㍑当たり300㍉㌘含まれている硬度上昇の原因となる物質を、処理することで90~100㍉㌘まで減らすことができる。
 安全祈願祭では宮古神社の奥間寛次権禰宜が祝詞を奏上し、施設内を塩で清め歩いたほか、市長や兼島方昭水道部長などの関係者が玉串を奉納した。

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