供用が始まった総合物流センター =平良港

平良港総合物流センター、一部共用開始

 3月末までに完成していた平良港漲水地区の平良港総合物流センターの一部供用が13日始まった。安定的な海上輸送の確保や荒天時のストック(貯蔵)機能強化を目的に整備されたもので、冷凍コンテナ用の電源も備えているなど、台風時の品薄解消などに貢献することが期待される。貨物に対応する吹き抜け構造の倉庫は3330平方㍍で、防火シャッターにより3つに仕切ることができる。2つを宮古港運が、1つを平良港運が使用する予定という。

 同センターは縦37㍍、横99㍍、高さ10.5㍍の2階建てで延べ床面積は4020平方㍍。建築・電気・機械などを合わせた総事業費は17億3640万円。財源は8割が一括交付金で、2割が市の起債。
 倉庫の大型化でストック機能が強化されるだけでなく、冷凍・冷蔵食品の輸送などに使用される冷却装置を備えた特殊なコンテナ(リーファーコンテナ)に対応するための電源を倉庫内外に備えている。
 同日施設の視察に訪れていた平良港湾事務所の照屋雅彦所長は、台風などで貨物船が長期間欠航するとチェーン店が休業に追い込まれるほどの品薄となることに触れ「離島で低温流通や長期保存の施設を充実させることは大変重要なこと」と説明した。
 2階には事務所があるほか、外国との貿易船が入港する際に監視するモニターも設置している。現在は平良港ターミナルビルにも監視モニターがあるが、市港湾課によると、近く物流センターに統合するという。
 1階の多目的ホールでは港湾・貨物業務に関する勉強会などを予定しているほか、クルーズ船が複数入港した際、臨時的に税関・出入国管理・検疫のいわゆる「CIQ」業務に使用することを想定している。
 現在同センター側で行っている岸壁埋め立て工事が終了すると、11万㌧級のクルーズ船の寄港が可能になる計画。整備が完了している平良港国際クルーズ拠点の補助的な位置づけだが、長期化するコロナ禍で海外からのクルーズ船寄港再開の目処は立っていない。

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