補正予算に関する質疑に答弁する座喜味市長(中央) =市議会本会議場

市議会質疑 キビ収穫支援に異論

宮古島市議会(上地廣敏議長)は2日、本会議で2021年度一般会計補正予算に関する質疑を行った。サトウキビ生産農家に収穫トン当たり500円を給付する収穫管理支援事業に野党から「不公平」「算定根拠が分からない」など異議が相次ぎ、当局と議論が交わされた。その他の事業では、ワイドークーポンの発行対象を市民全体に拡大することなどが説明された。特別会計、公営企業会計を含めた21年度補正予算は、10日に先議案件として採決される。

 キビ収穫管理支援事業は1億6352万円が計上されており、20/21年産を対象にさかのぼって給付する。野党の反対により21年度当初予算から削除されたものを再計上した形。座喜味一幸市長は任期中の4年間は毎年給付する強い意向を示しており、22年度当初予算にも21/22年産を対象に1億7227万円を計上している。
 下地信男氏は「キビ農家だけに給付するのは不公平。また、株出しの増加による単収の減少という課題の解決につながらない。農薬の補助を手厚くするなど、生産性向上につながる事業にすべき」とただした。
 500円という金額の算出根拠が分からないとの指摘や、一般財源を使用することから財政運営上の影響を懸念する声など、さまざまな意見が上がった。
 座喜味市長は「農家の高齢化が進む中で、宮古の基幹産業であるキビをいかに維持発展するかは大きな政策課題であり、農家に増産意欲を持ってもらうということは大変重要」と事業の意図を説明。
 不公平との指摘には「市の全農家5100弱のうち、キビ農家が約4700戸を占める。キビへの補助は多くの農家の支援につながる」と述べた。金額については、市町村合併前にあったハーベスター収穫への500円補助を参考にしているとの考えを示した。
 新里匠氏は「生産意欲の向上を図るなら一律ではなく、努力して生産量を増やした農家へ給付する方が公平で効果的」、山里雅彦氏は「1億6千万というお金はどうすれば費用対効果が現れるのか、最小の予算で最大の効果を挙げる方法を考え、農業振興のために使ってほしい」と述べた。
 ワイドークーポンの発行対象を新型コロナワクチンの接種を終えていない人も含めた全市民に拡大するため、2億697万円を計上している。約1万6500人を見込んでいるという。

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