座喜味市長に要請する栗山組合長(右端)、 與那嶺組合長(同2人目)、伊良波組合長(左端) =市役所応接室

軽石、コロナ禍で収入源

 宮古島漁協(栗山弘嗣組合長)、伊良部漁協(伊良波宏紀組合長)、池間漁協(與那嶺大組合長)は3日、軽石漂流による出漁減少やコロナ禍に伴う販売不振、また燃料価格の高騰などで漁業者の収入が減少しているとして、宮古島市(座喜味一幸市長)に支援を要請した。座喜味市長は軽石とコロナ禍は喫緊の課題として早急に対策を検討したいと応えた。また水産物の地元消費拡大や担い手育成など今後の漁業振興策も考えていきたいと述べた。

 3漁協の組合長や理事らが市役所を訪れ、「軽石漂流による出漁減、新型コロナの新株による市場経済の鈍化により販売減が著しく、宮古地区の漁業者も多大な影響を受けていることから大幅な収入減を余儀なくされている。宮古地区水産業振興のさらなる拡大を担っている漁業者へ市から特段の支援と配慮をお願いしたい」と要請した。
 同席した理事の一人は「30年以上漁師をしていて今回のような被害は初めて。軽石、コロナ、燃料の高騰で魚を売っても赤字になってしまう。この現状を何とかしてほしい。この状況では若者を漁業に誘うのも難しい」と訴えた。
 座喜味市長は「県と連携して軽石被害をどう救済するか、話が煮詰まってないこともある。市として何ができるか検討させてほしい。コロナ対策は状況を見ながらどこに支援していくか。前向きな対策を取りたい」と応えた。平良恵栄農林水産部長は「漁業を取り巻く環境は非常に厳しいものがある。漁業者が置かれている現状を把握し、課題解決に努めたい」と述べた。
 また座喜味市長は「将来どのように宮古の水産業を発展させるか大きな課題。今の体制で良いのか、どんな条件整備をすれば若い漁業者が育つのか。水産物自給率は観光を含めて重要なこと。地域内でいかに水産物を提供し消費してもらうか。地域内での供給、島外出荷の両方を伸ばしたい」と今後の振興策も考えていきたいと語った。
 要請後、與那嶺組合長は「今を乗り越えなければ次の展望がない。燃料が高騰して経費を確保できるか漁師は心配している。漁業にも何か手を打ってほしい」と対策を求め、「従来の漁業を維持することも大切だが、行政に力を貸してもらい販路を開拓していく。漁協単独で取り組もうとしても限界がある。根本から見直す時期に来ていると思う」と話した。

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