宮古島市6人死亡 クラスターの高齢者施設で

 県は19日、新型コロナウイルスに感染した宮古島市の80代女性4人、90歳以上女性2人の計6人の死亡を確認したことを明らかにした。いずれもクラスター(感染者集団)が発生した市内の高齢者施設で療養していた。同施設ではこれまで利用者3人の死亡が確認されており、同施設での死亡者は計9人となった。県内で発生したクラスターで1カ所の死亡者9人は最も多く、また、県内の1日当たりの死亡者数発表でも過去最多となった。これで宮古島市の死亡者は計10人となった。県内の新型コロナ関連の死亡者は計110人。

 玉城デニー知事は19日午後の会見で「亡くなられた方にはお悔やみ申し上げたい」と哀悼の意を表わすとともに、あらためて高齢者と会う場合はマスク着用や消毒、同居家族以外との接触を控えるよう感染拡大防止への理解と協力を呼びかけた。
 県によると死亡が確認されたのは、80代の4人が3日、7日、8日、9日、90歳以上の2人が2日、5日。県によると、施設での療養者は中等症以下とされていたが、患者の中には人工呼吸器の使用を希望しないことも多く、重症とされない状態で死亡したという。
 亡くなった6人は21日から今月1日にかけて施設で陽性が確認され、療養していた。県保健医療部の糸数公保健衛生統括監は、「宮古病院で満床が続いたため、施設に医療スタッフを派遣して医療機関と同等の治療で療養していたが、残念ながら亡くなられた」と述べた。
 また、死亡確認から発表まで日数を要したことには「福祉施設で療養していた方々については、通常の医療機関で亡くなった場合と違い、死亡診断や遺族の意向確認に時間がかかった」と理由を説明した。
 宮古島では1月中旬から感染者が急増しており、高齢者施設でクラスター(感染者集団)が発生し、県が自衛隊に災害派遣を要請し、医療機関も含めて看護師らが応援に入っていた。
 玉城知事は「これまで繰り返しお願いしてきたが、若い方々から高齢者に感染が広がると命の存続が心配な状況に陥ってしまうため、高齢者と会うとき、家族に高齢者がいれば気をつけてほしいと呼びかけてきた」と述べるとともに、「高齢者と会う場合はマスクを着用し、消毒して距離をとって、接触する機会を少なくするようにしてほしい」と呼びかけた。
 居住地が宮古島市の新規感染はなく、9日連続でゼロとなった。宮古島市によると19日現在の患者数合計は445人。入院中は8人(中等症8人)、調整中1人。退院は426人、死亡10人となった。

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