高齢者施設でクラスター

 沖縄県は22日、宮古島市内の高齢者施設で新型コロナウイルスに感染した11人のクラスター(感染症集団)が発生したと発表した。同市で3例目、県内102例目となる。同日は新たに12人を確認。12日連続の発生となり、市によると累計は254人に上っている。同日までの直近1週間当たり新規感染者数は53人で、人口10万人当たり95・34人と県の46・67人(22日まで)の2倍以上となった。県によると入院中は32人で、宮古病院の病床は現段階で満床状態。同病院は36床の確保に向けて調整しているが、ひっ迫の度合いはさらに増している。宿泊施設療養も増加しており、このまま新規感染が増えた場合、自宅待機の可能性もあるという。

 クラスターは、30~60代の職員3人(男性1人、女性2人)、70~90代の利用者8人(男性3人、女性5人)で、今月18~21日に陽性が確認された。県保健医療部の糸数公統括監は、インターネット会議で県対策本部クラスター支援チーム、国の専門家が現地で濃厚接触者の調査などに対応していると説明した。
 医療フェーズ4となっている宮古の確保予定病床数は40床。糸数統括監は、36床確保に病院側が努力しているとした上で、新規感染が続く状況で「退院する患者がいても、すぐ埋まる」とし、対応として民間医療機関で4~6床の確保を調整中とした。
 また、軽症者用の宿泊施設は現在、15人が療養中。運用可能な部屋数は23室だが、退室後に消毒などで3日間は使えないとして、ぎりぎりの状態となっている。糸数統括監は、「次は自宅療養のパターンが考えられる。家に高齢者がいると感染の恐れがあり、自宅療養は避けたい」と述べた。入院中や宿泊療養中、入院調整中合計は56人。
 市民への対応については、営業時間短縮で飲食店などが使えない状況で、「自宅などで家族や親族、友人・知人が集まった飲食で感染している例もある」と感染防止の徹底を訴えるとともに、陽性が確認された場合も患者情報が得られないケースもあるとし、保健所への協力を呼びかけた。
 23日に確認された患者は、10歳未満女性1人、10代の男性2人、20代女性2人、30代男性1人、40代女性1人、50代男性1人、60代の男性3人と女性1人。4人が県内患者の接触者で、残る8人が調査中。入院中の内訳は中等症19人、軽症13人。非コロナの一般病床利用率は89・3%となっている。

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